森林整備 担い手確保へ 町が「林業応援隊員」募集中
令和7年8月19日付 7面

住田町は、森林整備に携わる人材として「町林業応援隊員」を設置し、随時募集を行っている。総面積の9割を森林が占める同町では、人口減少や高齢化によって整備の担い手確保が課題となっている。同応援隊にはまず、同町と大船渡市を管轄する気仙地方森林組合の臨時職員となって森林整備業務に従事してもらいながら、人材育成を図る。将来的には組合正職員としての採用も見込んでおり、担い手確保につなげていく。(清水辰彦)
住田町の森林面積は約3万㌶で、そのうち約半分が、人の手で植えられた人工林となっている。人工林を健全な状態に保つには間伐などの手入れや伐採後の造林が重要となるが、人口減少などにより整備の担い手不足が生じている現状だ。
担い手確保は、町の基幹産業である林業・木材産業を持続可能な産業にするとともに、豊かな自然環境を守ることにつながる。こうした背景から、町は本年度、新たな試みとして「林業応援隊員」を設置。森林整備の担い手の一員となってもらい、基幹産業の活性化や林地の保全に取り組んでいく人材として任命する。
人材募集と選考は町が主導して委嘱を行ったうえで、町内の森林整備の中核を担う気仙地方森林組合へ隊員の受け入れを委託し、組合の臨時職員として採用される流れとなる。
任用期間は最長3年間で、期間終了後は組合正職員(一般職員)としての採用も見込む。任期中の業務内容は同組合の一般職員に準じた内容で、森林調査・測量業務、森林整備に関する書類作成、森林病害虫調査業務・書類作成などだが、必要に応じて造林関連作業や枝打ちなど、現場作業を担う職員の業務の一部を担当する場合もある。
募集人員は1人。応募条件は▽県外に生活の拠点がある人で、応援隊員の委嘱に伴って住民票を住田町に異動し、居住できる▽心身が健康で、かつ業務に意欲と熱意を持って取り組める▽普通自動車免許(AT限定可)を取得している▽Word、Excel、メールなどパソコンの一般的な操作ができる──のすべてを満たすこと。
なお、任用者が「地域おこし協力隊」としての要件を満たす場合には、同協力隊として任命する形となる。
応募締め切りは設けておらず、応募があればその都度選考を行い、採用が決まった時点で募集を締め切る。
応募は、町ホームページからも入手可能な応募用紙と活動目標シートに加え、住民票(発行から2カ月以内)、普通自動車免許の写し(表、裏)を町林政課(〒029・2396住田町世田米川向88番地1、住田町林政課「住田町林業応援隊員担当」)まで郵送または持参を。
同課の石橋颯己技師は「住田町の森林をどう整備していくかを長期的に考えられる人材になっていただきたいと考えている。大きなパイを占める人工林の整備は、町の施策としても大事。どのような施策を行っていくか、町とタッグを組んでやっていける、志のある方に来ていただければ」と話している。
勤務条件や生活環境など、詳細は町ホームページでも確認できる。
問い合わせは、同課(℡46・3868)まで。