児童らの安全確保へ 高田小前の市道 押しボタン式信号機設置

▲ 高田小前に設置された押しボタン式信号機

 陸前高田市高田町の高田小学校(佐藤健校長、児童162人)前を通る市道に設置された押しボタン式信号機が、19日に供用開始した。通学する児童らの安全を確保しようと、地域住民からの要望を受けて設置されたもの。学校や地域の交通安全関係者らは、信号機のある横断歩道の安全な渡り方を児童に指導するとともに、ドライバーにも注意を促していく。(阿部仁志)

 

 信号機が設置されたのは、市道西和野山苗代線(高田北幹線)で、児童が登下校でひんぱんに横断する同校の校門前。供用開始時刻の午前11時になると、大船渡警察署交通課や高田幹部交番の警察官、施工関係者が集まり、問題なく点灯することを確認した。
 点灯時には同校の児童の姿もあり、渡れるようになると早速ボタンを押し、歩行者側の信号が青になったのを確認してから横断。通りがかったドライバーも、赤信号を確認すると停止線でしっかり止まった。
 〝第1号〟で横断歩道を渡った野呂梛槻さん(1年)は「信号機があると安心で、うれしい。道路を渡る時は左右を見て、信号が赤のときや青が点滅してるときは渡らない」と約束していた。
 高台にある現高田小校舎は、東日本大震災後の令和元年度に移転新築。校門前の横断歩道は小高くなった土地の頂部にあたり、横断する歩行者とドライバーそれぞれにとって視界の悪い場所であることから、校舎建設時から地域内で「交通事故の発生リスクが高い」との声が上がっていた。
 また、高田北幹線は広田町や竹駒町、高田町の中心市街地などからの道路とつながり、日中は交通量が多い。特に、出勤するドライバーが増える朝は児童の登校時間と重なり、学校の目の前にある県立高田病院を行き来する車もある。
 こうした状況から、高田地区コミュニティ推進協議会をはじめ各町内会、交通安全関係者らが同署などに信号機の設置を要望。昨年、同署で開かれた交通規制対策協議会で承認され、県警察本部と公安委員会で検討されたうえ、今回の設置に至った。
 高田町では令和4年にも、通学路となっている高田北幹線と市道曲松中和野線が交わる高田保育所南東交差点への信号機設置が、町民らの要望によって実現。今回再び、子らの安全を願う地域の思いが形になった。
 同校では、夏休み期間中の信号機設置を見越し、1学期末に押しボタン式信号機の使い方と道路の横断について全学年に指導。2学期が始まる22日(金)からは、児童の間で適切な横断道路の渡り方が定着するよう見守る。
 交通安全関係者らは、信号機の存在を広く周知するとともに、歩行者やドライバーに対して引き続き交通マナー・ルールの順守を呼びかける。