森で絆深め 節目の20回 立教大・林業体験 関係者 友好深化へ意欲 平成15年度にスタート 生出地区の市有林で実施(別写真あり)

▲ 木の枝を切り落とす作業に励む学生

 陸前高田市矢作町生出地区で、立教大学(本部・東京都、西原廉太総長)の学生による林業体験プログラムが行われている。平成15年度に始まり、今回で20回目の節目を迎えた。苗木を植え、育て、収穫する林業のサイクルは50年以上かかるとされ、地元関係者は大学と築いた交流の歩みについて「森林の周期でいえばまだ半分ぐらい」とし、「これからも絆を深めたい」と関係性の深化へ思いを新たにした。(高橋 信)

 

 本年度は25日に始まり、学生14人が参加。宿泊可能な生出地区の多目的施設「ホロタイの郷・炭の家」を拠点とし、同日は佐々木拓市長を表敬訪問したほか、気仙町の東日本大震災津波伝承館や奇跡の一本松などを見学した。
 2日目の26日は、「立教の森」(約0・6㌶)と呼ぶ生出地区の杉林(市有林)で、密集化する立木を一部切り取る「間伐」に挑戦。同地区コミュニティ推進協議会(菅野賀一会長)の役員や、県から「いわて森の達人」に認定されている地元の佐藤隆雄さん(67)、県、市の担当者が指導した。
 同大文学部の新保諒眞さん(3年)は「素晴らしい自然環境で、非日常を感じられる。20回目という節目を迎え、プログラムを続けてきた大学、先輩たちに感謝の気持ちでいっぱい」と額に汗を浮かべながら語った。
 佐藤さんは「こんな山奥に学生が毎年来て、林業に触れてくれて、最高の気分だ」と目を細めた。
 学生たちの滞在は29日(金)まで。20回目記念として、同大は10月下旬の市産業まつりへの出店を計画しており、今回のプログラムに参加している学生たちが再訪する。
 同大は林業体験で学生と地域住民が友情を育んできた縁から、震災後、同市を重点支援地域に指定し、物心両面の支援を展開。発災翌年の24年、市と交流・連携協定を結び、地元小学生向けのバレーボール、中学生向けの野球教室に乗り出すなど、陸前高田をフィールドとする学生プログラムを充実させた。
 29年には岩手大との共同で、米崎町の空き校舎に交流・研究拠点「陸前高田グローバルキャンパス」を開設。同キャンパスは令和6年度末に閉じ、これを踏まえ、立教大は高田町の陸前高田高等職業訓練校内に単独の陸前高田サテライトを開設した。
 菅野会長は「立教大との縁が生出から始まったと思うと、誇らしい気持ち。大学との絆は、林業にたとえればまだまだ道半ば。これからもずっとこの絆を深めていきたい」と話した。