「合同授業」で地域性学ぶ 岩手大と立教大 本年度から本格実施
令和7年8月28日付 7面
岩手大学(小川智学長)と立教大学(本部・東京都、西原廉太総長)は29日(金)まで、両大の学生が陸前高田市内で市民の暮らしの変遷や地域課題を学ぶ「合同授業」を実施している。3月末まで陸前高田グローバルキャンパスを運営した両大が、同市をフィールドとする新たな学びの機会を提供しようと、昨年度試験的に始まった。本年度は両大学とも単位を付与する正課活動に発展させ、双方の学生が地域住民との交流を通じた調査活動に当たっている。(高橋 信)
岩手大9人、立教大10人の学生が参加し、25日にスタート。東日本大震災前後の暮らしの変化や地域の文化・風習、生活課題の調査を主なテーマとし、市社会福祉協議会の協力のもと、小友町の新田、唯出、矢の浦、上の坊・松山・西の坊の4地域で班別に活動している。
27日はフィールドワークに先立ち、「食」を足がかりに地域性を学ぼうと、小友地区コミュニティセンターで調理実習を実施。地元の食生活改善推進員8人を講師に迎え、五目ぶかし、具のせうどん、なべやきなどの郷土料理を作った。
同推進員は調理法とともに、各品がどのような場面で振る舞われるかなど説明。完成後はおいしく味わい、交流を深めた。
立教大法学部の星水晶さん(4年)は「皆さん温かい人ばかり。なべやきが作られるようになった起源などを聞かせていただき、今と昔の生活の違いも感じることができた。岩手大の学生との交流も刺激になり、多くのことを吸収して帰りたい」と熱心に話した。
学生の調査に協力している小友地区コミュニティ推進協議会の吉田雄幸会長は「この地域を知ろうとする意欲が何よりうれしい。若い視点で捉える地域課題は、高齢化が進むまちにとって参考となる。今後の活性化にもつながればいい」と期待を込める。
両大と市の3者は平成28年1月、「地域創生・人材育成等の推進に関する相互協力及び連携協定」を締結。この協定に基づき、両大は29年4月、米崎町の旧高田東中校舎を活用し、学生と市民らとの交流拠点「陸前高田グローバルキャンパス」を開設した。
復旧・復興事業の進展で公共の集会施設の再建が進んだことなどから、ハード面における役割を一定程度果たしたとして、今年3月末に同キャンパスを閉所。これを踏まえ、地域とのつながりが深い両大ならではの新たなプログラムとして、年に一度の合同授業を企画した。本年度から前年比1日増の4泊5日の日程で本格実施している。
岩手大人文社会科学部の五味壮平教授は「行程が昨年よりも1日増え、学生がより多くの地域住民とコミュニケーションを取れるようになった。立教大の学生との活動は大きな刺激となっている。改めて協力していただいた地域や社協に感謝している」と話した。






