世界陸上代表に初選出 男子やり投げ・長沼選手(陸前高田出身)

▲ 世界陸上日本代表に選ばれた長沼選手(晃一さん提供)

 13日(土)~21日(日)に東京・国立競技場で開催される陸上の世界選手権(世界陸上)東京大会の日本代表に、陸前高田市出身で、男子やり投げの長沼元選手(27)=スズキ=が初選出された。日本陸上競技連盟が発表した。世界最大級のスポーツの祭典に、同市で生まれ育ったアスリートが挑むこととなり、気仙は大いに沸きそうだ。(高橋 信)

 

 日本陸連は2日、同大会の日本代表を追加で発表。長沼選手は、男子100㍍のサニブラウン・アブデルハキーム選手(東レ)、桐生祥秀選手(日本生命)らとともに名を連ねた。
 長沼選手は、気仙小、旧気仙中を経て、高田高でやり投げを始めた。1年時の県新人大会で優勝するなどすぐに頭角を現し、3年時には、全国高総体(インターハイ)、国体で優勝。それまで父・晃一さん(61)が保持していたやり投げ高校男子の県記録も塗り替えた。
 同校卒業後、投てき競技強豪として知られる国士舘大(本部・東京)に進学。4年時には主将を務め、チームをけん引した。
 今年4月の織田幹雄記念国際大会では80㍍58で6年ぶりとなる自己記録を更新し、大台の80㍍を超えた。7月には世界陸上の代表選考会を兼ねた日本選手権で79㍍84をマークし、初めての表彰台に立った。
 晃一さんは「今年、自己記録を6年ぶりに更新した。世界の舞台に立つというのは、本人がやり投げを始めた時から目指してきたもの。けがなく、思い切り挑んでほしい」とエールを送る。
 市と市スポーツ協会は今後、長沼選手の代表入りをたたえる横断幕を作成し、市有施設に掲示する予定。
 3日に市役所で開かれた定例記者会見で、佐々木拓市長は「オリンピックに匹敵する大会に、高田高出身の選手が出場する。市を挙げて応援していきたい」と述べた。
 大会公式ホームページによると、男子やり投げは17日(水)に予選、18日(木)に決勝が行われる。同競技の日本代表には、長沼選手のほか、﨑山雄太選手(29)=愛媛競技力本部、自己記録87㍍16、ディーン元気選手(33)=ミズノ、同84㍍66=が選出されている。