「決算議会」がスタート 当局、議案18件を上程 初日は山田教育長再任に同意
令和7年9月5日付 1面

陸前高田市議会の9月定例会は、4日に開会した。会期を30日(火)までの27日間と決め、市当局は議案18件を提出。初日は山田市雄教育長(73)=米崎町=の再任を含む人事案など議案3件を同意、可決した。残る15件は決算等特別委(議長を除く全議員で構成)に審査を付託した。
この日同意した人事案2件は、任期満了に伴う教育長と、教育委員会(4人)委員1人の再任。新任期は、山田教育長が10月1日からの3年、教育委員の安田留美氏(51)=横田町=が同日からの4年。
可決された議案は、反訴の提起に関する1件。令和5年7月8日、気仙町の旧吉田家住宅主屋の見学会に訪れた人の自動車が駐車場に入った際、工事中の照明設備の土台部分に乗り上げ、アンカーボルトを破損した事案を巡り、カラーコーンなどの安全対策がなされていないのは市の瑕疵であるとして、訪れた人が自動車の修理費用16万3185円と、事案発生日から完済までの年3%の金利を含む損害賠償を求め、今年7月、市を相手取り提訴した。
これに対して、市は管理責任の瑕疵は認められないとの立場から、原告に対してアンカーボルトの修理代相当額5万5000円、弁護士費用5500円、事案発生日から完済までの年3%の金利の支払いを求めて反訴することとし、今定例会に議案として提出した。
決算等特別委に審査付託したのは、執行前提案1件、条例案6件、補正予算案2件、決算案6件の計15件。
令和6年度実績報告書によると、一般会計と三つの特別会計を合わせた同年度決算総額は、歳入218億4786万円(前年度比4・2%減)、歳出212億353万円(同3・5%減)。
一般会計の歳入は、174億3215万円(同5・3%減)で、予算に対する執行率は88・7%。歳出は169億7938万円(同4・3%減)で、執行率は86・4%となった。
歳入から歳出を差し引いた形式収支は、4億5278万円。形式収支から翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は、3億4795万円の黒字。前年度実質収支や財政調整基金への積立金、取り崩し金を加減した実質単年度収支は4億5411万円の赤字となった。
一般会計歳入は、自主財源が64億5797万円(前年度比18・0%減)で、構成比は37・0%。依存財源は109億7418万円(同4・2%増)で、構成比は63・0%だった。
主な財政分析指標のうち、財政力指数は前年度と同じ0・32。低いほど良好とされ、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は92・1%で、前年度比1・6㌽増。一般財源の標準的な規模に対する借入金(地方債)の返済額(公債費)の割合を示す実質公債費比率は11・6%で、同1・4㌽減と改善された。
受理した請願3件のうち、「『カリキュラム・オーバーロード』の改善」、「訪問介護報酬の引き下げ撤回と、介護報酬引き上げの再改定」は教育民生常任委に、「国道343号新笹ノ田トンネルの早期事業化」は産業建設常任委に審査を付託した。