大型サンマを全国へ 大船渡水産物商業協同組合 直送便の出荷スタート(別写真あり)

▲ 「さんま直送便」の出荷作業にあたる関係者

 気仙管内の鮮魚小売業者などで構成する大船渡水産物商業協同組合(新沼哲理事長)は5日、地元産の生鮮サンマを全国各地に届ける「大船渡港さんま直送便事業」の出荷を開始した。昨年と比べて2週間ほど早いスタートとなり、選別、箱詰め作業にあたる組合関係者らは「大きなサンマを全国へ」との思いで手を動かしている。同組合では、10月末まで注文を受け付ける。
 今年のサンマは魚体組成が良く大ぶりで、大船渡市魚市場では先月29日に28㌧、今月2日に90㌧が水揚げされた。4日には大型船2隻で計156㌧とまとまった水揚げがあり、近年では好スタートとなっている。
 こうした漁況を受け、同組合では「9月中旬」としていた当初予定を前倒ししての出荷を決定。大船渡町の組合作業場では5日、午前8時前から10人の関係者が慌ただしく道具や設備を準備し、作業にあたった。
 衛生管理を徹底した環境で、水揚げされたサンマをサイズごとに仕分け、紫外線殺菌海水を用いた発泡スチロール箱に入れて氷とともに梱包。作業する関係者からは「大きくて箱に収めるのが大変」「小さいものを探すほうが難しい」といったうれしい悲鳴が上がった。水揚げ日時と水揚げ港、漁獲海域、水揚げ船などの情報を記載した「トレーサビリティー」や調理レシピも同封し、消費者においしく食べてもらえる工夫を施した。
 同組合によると、全国各地からの注文に加え、新規の申し込みも増えているという。昨年の取り扱いは約8000箱だったが、今年の受注は昨年同期を上回っており、関係者は前年超えに期待を寄せる。
 作業を見守った新沼理事長(68)は「200㌘のサンマを食べたが、脂がのっていて本当においしい。大きなサンマがたくさん取れると盛り上がる。漁況が今後どうなるかは分からないが、サイズが大きいうちに出荷して、皆さんに食べて喜んでもらいたい」と話した。
 取り扱いは、いずれも送料・税込みで▽大10尾入り4000円▽大15尾入り5000円▽大20尾入り6000円▽中20尾入り4200円▽中50尾入り7500円▽大30尾入り7800円▽大50尾入り1万1500円──の7コースで対応。九州地方へは500円、沖縄県へは1000円の別途送料がかかる。10月31日(金)まで受け付ける。
 大船渡町永沢の同組合事務所に電話(27・9999、平日午前9時〜午後3時、正午〜午後1時は除く)かファクス(0120・27・0025、24時間)で申し込みを。