地域支える〝3鉄〟発信 3つの鉄道まつり 三陸鉄道・JR・開発鉄道が連携
令和7年9月7日付 7面

三陸鉄道㈱、東日本旅客鉄道㈱盛駅、岩手開発鉄道㈱による「3つの鉄道まつり」は6日、大船渡市盛町の盛駅前広場や同駅構内などで開かれた。ステージ発表や多彩なアトラクションで、地域の生活を支える〝3鉄〟の魅力を発信。来場者らは、青空の下でイベントを楽しみながら、地域に必要不可欠な交通手段と、まちの産業を支える鉄道の仕事ぶりを肌で感じる機会とした。(菅野弘大)

レールスター乗車体験を楽しむ子どもたち
同じ地域に共存する地域密着の鉄道として、各社の取り組みを広く発信するとともに、地域活性化の機運を高めようと毎年開かれているイベント。令和5年から現名称で開催しており、利用客や地域住民への日頃の感謝も伝える機会に位置づけている。
駅前広場で行われたオープニングセレモニーでは、三鉄の石川義晃社長、開発鉄道の村上美保取締役総務部長、JR盛駅の近江一洋駅長がそれぞれあいさつ。続いて行われたお菓子と餅まきは、幅広い世代でにぎわいを見せた。
県立大船渡東高校太鼓部の勇壮な演奏が大船渡らしさを演出。同市のあかさきこども園児が鹿踊りと太鼓、綾里、盛両こども園児がダンス、釜石市の平田こども園児が虎舞をそれぞれ披露し、暑さを吹き飛ばす元気いっぱいのステージで活気を呼んだ。
駅前広場では、地元内外から飲食ブースが出店し、子どもたち向けのゲームコーナーや、赤崎町在住のイラストレーター・みうらのろこさんによる似顔絵コーナーも人気を集めた。市や各社のマスコットキャラクターも集結し、子どもを中心に写真撮影の人だかりができた。
駅構内では、BRTを運行するJRによる制服試着体験も。総務省岩手行政監視行政相談センターによるブースも開設された。
車両基地では三鉄車両が展示され、車内の見学や鉄道マニアたちがシャッターを切る様子も。子どもたちに人気のレールスター乗車体験では、速いスピードで線路を進むスリルと心地よさに笑顔が広がった。普段見ることのできない指令室見学では、〝地域の足〟を安全に動かす職員の繊細な仕事に理解を深めた。
三鉄では、同まつりに合わせて、盛―久慈駅間が500円で1日乗り放題となるワンコインフリーパスを販売。同パスを活用してイベントとともに列車の旅を楽しむ人の姿も見られた。
家族で訪れた小嶋心太朗さん(盛小1年)は「電車が一番好き。レールスターに乗って、とても速くて楽しかった」と笑顔で話していた。