省エネ家電買い替え助成 「第3弾」今秋開始目指す エアコン、冷蔵庫、給湯器にLED照明も

▲ 「第3弾」では申請割合が高い冷蔵庫などに加え、LED照明も追加する方針

 大船渡市は、省エネ性能が高い家電製品に買い替える市内世帯に助成する事業費用を、市議会9月定例会に提出した一般会計補正予算案に盛り込んでいる。昨年2月と8~10月に続く第3弾で、エアコン、冷蔵庫、給湯器に5万円分を上限に助成するだけでなく、今回はLED照明も最大1万円分の補助を行う。10月下旬以降の買い替え購入が対象で、11月上旬の申請開始を目指す。大船渡商工会議所発行の地域商品券で交付し、1000万円分に達した時点での終了を見据える。(佐藤 壮)

 

補正予算に計上

 

 対象はエアコンと冷蔵庫、給湯器(エコキュート、ガス温水機器、石油温水機器)のほか、今回は節電効果が高いLED照明も加えた。省エネルギー基準達成率が100%以上に買い替えた費用の一部を助成する。
 エアコンと冷蔵庫、給湯器の助成割合は第1弾、第2弾と同様に、家電等の本体価格、消費税・地方消費税額を合算した金額の4分の1とし、5万円が限度。相当額の地域商品券で交付する。
 LED照明は本体価格に加え、設置費用や消費税・地方消費税額を合算した2分の1とし、上限は1万円。交付は地域商品券となる。
 対象家電を市内の店舗・事業所から購入し、自宅に設置する。対象家電の1台分、1世帯1回限りだが、LED照明は、複数の購入(設置)も申請対象とする。
 第1弾、第2弾で助成を受けた世帯も、別の対象家電等に買い替える場合は申請が可能。例として、これまでに冷蔵庫の買替えで助成を受けた場合、エアコンや給湯器、LED照明のいずれかに申請ができる。
 10月下旬から約2カ月間で購入した商品を対象とし、11月上旬から申請を受け付ける流れで調整する方針。予算の1000万円に達し次第、受け付けを締め切る。申請受け付け、審査、交付手続きは専門業者に委託し、土・日曜日や祝日も午後7時まで対応する見込み。確定次第、市広報10月号で周知することにしている。
 第1弾は昨年2月1日から受け付け、同11日には上限予算1000万円分に近づいたことから締め切った。購入家電の内訳を見ると、冷蔵庫が160件(72・7%)、エアコンが44件(20%)、給湯器が16件(7・3%)。1件当たりの平均助成額は4万5395円となった。
 購入先は、市内の店舗・事業所に限定し、対象家電購入費は4673万円に上った。直接的な経済効果を約6300万円と分析。第3弾も予算が同規模であることから、同規模の経済効果を見込む。
 第2弾では第1弾利用者を対象から外し、昨年8月上旬~10月中旬に受け付けた。予算は第1弾の2倍となる2000万円で、申請受付数は409件。助成金交付額は1776万円で、1件平均4万3325円だった。
 購入家電の割合は、冷蔵庫が259件(63・3%)、エアコン106件(25・9%)、給湯器44件(10・8%)だった。直接的な経済効果は、1億1841万円としている。
 家電製品を取り扱う店舗からは「助成がある、ないでは売れ行きが大きく違う」と期待の声が聞かれる。消費促進の面からも注目を集める。
 これまでも、継続的な実施を望む声があったが、市は財源確保を課題としてきた。第1弾は国の重点支援地方交付金、第2弾はまちづくり基金と、有利な財源を活用。第3弾も国の物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を生かし、財政負担を抑える。
 新沼優市民環境課長は「温室効果ガス排出量削減と、地域経済活性化の面からも、多くの方々に利用してほしい。さらに、省エネ家電や、省エネにつながる行動にも意識が高まれば」と話す。