「音楽の力」で交流の場 仮設住宅団地に談話室 震災からの縁で設置支援(別写真あり)
令和7年9月10日付 7面
大船渡市大規模林野火災の被災者向けに整備された赤崎町の蛸ノ浦応急仮設住宅と三陸町の綾里応急仮設住宅の各敷地に談話室が設けられ、9日に引き渡し式が行われた。東日本大震災での音楽関係者による被災地支援をきっかけとした災害支援プロジェクトを展開する一般社団法人CON(古川健一郎代表理事、拠点・福岡県)などが支援。気仙内外の「音楽の力」による新たな空間に、関係者は感謝の思いを込めた。(佐藤 壮)

震災後の各種取り組みを通じてつながる気仙内外の音楽関係者も完成を喜んだ
CONは、震災直後からの音楽関係者による被災地支援をきっかけに、Tokyo Tan
aka(MAN WITH A MISSION)を主体に発足したプロジェクトが前身。災害支援プロジェクト「CONNECT」を立ち上げ、全国の被災地で支援活動を展開している。
整備された建物はいずれもコンテナ式で、綾里の床面積は66・24平方㍍、蛸ノ浦は同49・68平方㍍。トイレや談話室のエアコン、自動販売機なども支援した。さらに「ケセンロック」にかかわる気仙の関係者らが、雨よけとなる入り口部分の施工や、建物周辺の整地を担った。
談話室整備には、㈱盛岡ClubChange(黒沼亮介社長)が主催する大型音楽イベント「FIGHT BACK(ファイトバック)2025」も参画。東北を代表するロックイベント「アラバキ・ロック・フェスティバル25」も整備を後押しした。
また、大船渡市大規模林野火災の被災者支援事業にあたる特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンが、室内で使用する長机やいす、キャビネットなどを確保した。
綾里で開かれた引き渡し式には、各団体の関係者や市、両仮設住宅の住民ら約30人が出席。渕上清市長が「地域コミュニティーの維持や生活再建の大きな励みになる」と感謝した。
黒沼社長は、大船渡に何度も訪れているロックバンド・10─FEETなどによるコラボ活動や、美術家・奈良美智さんと俳優・のんさんによる大規模山林火災支援のTシャツ制作に言及。「音楽を通じた絆の深さを強く感じる」と語った。
また、ピースウィンズ・ジャパン広報の古市幸子さんは「住民の皆さんが楽しんだり、なごやかに過ごしてもらえれば」と述べた。
支援した両団体から渕上市長に手渡された鍵のレプリカは、各仮設住宅の代表者に引き継がれた。関係者による記念撮影も行われ、整備に対する感謝や一日も早い復興への願いなどを込めながら笑顔を交わした。
引き渡し式に出席した綾里仮設住宅在住の野村誠一さん(84)は「誰かの部屋を開放しなければならないと思っていた。気軽に使える場所になれば」、蛸ノ浦の袖野久和さん(69)は「火災前の外口地域でも〝お茶のみ〟で集まっていた人たちが多い。整備は大変助かる」と話していた。
市によると、今後は水回り整備などを進め、今月中には利用が本格化する。市社協によるサロン開催や見守り支援でも活用が見込まれる。






