仮設住宅団地に巣箱 綾里と蛸ノ浦に 東京・豊洲の子どもたち制作

▲ 巣箱を手渡す井上さん㊨

 東京都江東区のメブスク豊洲で開催された「バードハウスプロジェクト」のワークショップで子どもたちが制作した巣箱が、大船渡市大規模林野火災で被災した三陸町綾里地区と赤崎町蛸ノ浦地区にそれぞれ寄贈されることになった。綾里などの海で拾った漂着物などを付け、カラフルに仕上げた。仮設住宅団地などでの設置に向けて調整する。
 このワークショップは、豊洲地区の開発事業などに携わる清水建設㈱などで構成する「TOYOSU CRAFT MARKET運営実行委員会」が主催。豊洲地区と三陸をつなげようと、三陸沿岸に流れ着いた貝殻や流木、プラスチックごみを再利用して巣箱を飾り、大船渡市内に設置してもらおうと企画した。
 先月9日に開催されたワークショップには、会場近くに暮らす地元の小学生やその保護者らが参加。京都府在住のアーティストで、大船渡の防潮堤にタイルアートを飾る活動に関わる井上信太さん(57)とともに、縦27㌢、横20㌢の木製巣箱の屋根部分などに、貝殻や流木などを飾り付けたほか、塗装も施し、個性あふれる色鮮やかな11箱が完成した。
 井上さんは今月9日、旧綾里中学校グラウンドに整備された仮設住宅団地を訪れ、綾里地区まちづくり委員会の村上芳春委員長に寄託。今後、仮設住宅に暮らす住民と相談しながら、設置場所を決めることにしている。旧蛸ノ浦小グラウンドにある仮設住宅団地でも、今後調整を進める。
 井上さんは「鳥の営みを身近に感じてもらうだけでなく、豊洲の子どもたちが大船渡を訪れたり、大船渡の物産品を豊洲で開催される『マルシェ』で販売するなど、今後も交流が続いていけば」と話している。