視点/第3期高校再編計画・当初案を巡って① 少子化の進行 集約の要因に 気仙の2校2学科に募集停止案

 県教育委員会が先月公表した「第3期県立高等学校再編計画」の当初案。少子化の進行など県立高校を取り巻く状況を踏まえた再編案のうち、気仙では高田の海洋システム科(定員40人)と大船渡東の食物文化科(同)を令和10年度に募集停止とする方向性が示された。海洋システム科と食物文化科の調理師養成施設は宮古水産に集約し、同科の家庭の学びは大船渡東の農芸科学科でコース等として維持する考えだが、地元からは反対の声が上がっている。改めて当初案の内容や議論の様子を振り返り、今後のあり方を探りたい。(三浦佳恵)


 7年度現在、全県における県立高校の全日制課程は59校、1学年当たり213学級(普通科122、専門学科68、総合学科23)。定時制・通信制課程は分校を含む9校、定時制は同14学級、通信制の募集定員は同300人。
 気仙には、全日制4校(高田、大船渡、大船渡東、住田)、同13学級、定時制1校(大船渡)、同1学級がある。全日制の学科数は普通3、水産、農業、工業、商業、家庭が各1。主要の学科がそろい、生徒が希望する進路や学習環境などに合わせた学びが選択しやすく、地域産業の担い手育成にも大きく貢献している。
 県立高全日制への本年度入学者は、全県が6525人で、定員8520人に対する欠員は1995人と、1学級40人で計算すると50学級分に当たる。気仙は合格者数でみると363人で、定員520人に対する欠員は4学級分の157人となった。
 中学校の卒業者・予定者(別表)のうち、全県は今年(3月)の卒業者が9715人。予定者は5年後の12年が8755人、10年後の17年は6839人と推計され、顕著な少子化の影響が表れている。
 気仙(県教委が6年度卒業予定者数の推移の集計をもとに作成、公表)は今年が410人で、12年は345人、17年は285人を見込む。10年で約3割の減少が予想され、現在の募集定員に当てはめると10年後は6学級分に当たる235人の欠員が生じる計算だ。


 

 県教委は平成12年度から2期にわたり、県立高校を取り巻く状況などを踏まえて再編などを進めてきた。
 次期計画となる第3期の期間は、令和8年度から17年度までの10年間。基本的な考え方には、▽持続可能な社会の創り手となる人材の育成▽高校の多様化に対応、各自の希望する進路の実現▽教育の質の保証、教育の機会の保障▽地域や地域産業を担う人材の育成▽大学進学率の向上や専門的知識を持つ人材の育成──の5点を挙げている。
 学校規模は、これまで1学年4~6学級が望ましいとしてきたが、第3期では示さず、1学年当たりの最低規模を2学級(総合学科は3学級)と設定。住田など普通高校の1学級校は、高校を核とした地方創生の推進に大きな役割を果たしているとして「地域校」と位置付け、地域における学びの機会を保障する。
 一方、1学級校で入学志願者数が2年連続して20人以下となった場合、原則として翌年度から募集停止とする措置は現行のまま。1学級定員40人以上不足すれば学級減を検討する基準も、引き続き適用する。
 第3期では新たに、複数の小学科・学系を併置する学校に、入学志願者の数が2年連続で「10人以下」となれば、原則として翌々年度から募集を停止する基準を設けた。9年3月の入試分から対象となる計画だ。
 再編により、全日制は12年度までに54~57校、1学年当たり190~201学級に、17年度までに44~48校、同142~163学級とする見込みとしている。
 こうした第3期の方針や前期5年間(8~12年度)における再編プログラムなどをまとめた当初案は、先月5日に公表。気仙では、近年の入学者数などの状況を踏まえ、10年度に高田・海洋システム科と大船渡東・食物文化科の募集停止案が示された。
 当初案に対し、先月28日~今月8日には気仙両市の4会場で住民や首長、各種団体の代表らから意見を求める機会が設けられた。この中で特に多かったのは、海洋システムと食物文化の募集停止を反対する声だった。