菊池さん(高田高)が初代王座 津軽三味線全国コンテスト中・高校 生の部  青森で

▲ 大鰐大会で初優勝に輝いた菊池さん

 陸前高田市米崎町の菊池郷平さん(高田高1年)は、このほど青森県の大鰐町地域交流センター鰐comeで開かれた「第1回津軽三味線全国コンテスト大鰐大会」(実行委主催)に出場し、中・高校生の部で優勝した。記念すべき初回大会での栄誉を喜ぶとともに、全国規模の大会で今年3度目となる優勝に確かな手応えを感じ、自信につなげた。
 大会は、三味線奏者の出演機会創出や地域活性化などを願い初開催。個人の6部門と団体戦が展開され、エントリーした全国各地の奏者が挑んだ。
 中・高校生の部には、岩手の菊池さんと、東京、青森、山梨、神奈川各都県の奏者計5人が出場。出演順3番の菊池さんは『津軽じょんがら節』を演奏し、審査の結果、見事1位に輝いた。
 演奏後の講評で、審査員からは、親指をすばやく糸に当て音色を変化させる技「音締め」の完成度を高く評価されたという。菊池さんが得意とする音の強弱や余韻のコントロールに、7月から新たに取り組んできたという数々の技も融合し、栄えある初代部門優勝に結びついた。
 菊池さんは「細かいミスはあったけど、夏の大会よりもうまく弾くことができ、青森のライバルに順位で勝つこともできた。今年最後の大きな大会でもあったので、良い結果になってうれしい」と達成感をにじませる。
 5歳の頃から津軽三味線を始め、現在は民謡成美会(盛岡市)の3代目・井上成美氏に師事。陸前高田市の民謡団体・鳴美会(高橋仁会主)にも所属し、各種大会や地域のステージ、唄付伴奏での出演などを通じて技術を磨き続ける。
 今年は第43回津軽三味線世界大会(5月、青森県)の唄付伴奏B級の部と、第37回津軽三味線全日本金木大会(7月、同)の個人・中高生の部で優勝。今大会の結果と合わせ、全国規模の大会で年内3度優勝を収めたのは自身初めてという。
 三味線の魅力は「前より良くなったと、自分の成長を感じられるところ」と菊池さん。「弾く人によって、曲の構成や音が全然違う。自分がやったことのないことをやっている人の演奏を聴くと、勉強になる」とし、さらなる音の探究を誓っていた。