マニュアルもとに体制整備へ 市街地での猟銃使用 改正鳥獣保護管理法施行受けて 町議会一般質問で当局示す
令和7年9月19日付 1面

住田町議会9月定例会は18日に開会し、会期を10月1日(水)までの14日間と決めた。初日は荻原勝(無所属)、村上薫(同)、阿部祐一(同)の3議員による一般質問が行われ、鳥獣被害対策、高齢者福祉、町有施設のあり方などを巡って当局と論戦。この中で、改正鳥獣保護管理法の施行に伴い、市街地での猟銃使用が可能となったことについて、町当局は今月1日に策定した対応マニュアルをもとに、人員確保、住民周知などを進め、年内をめどに体制を整えるとの考えを示した。(清水辰彦、2面に一般質問の主なやり取り)
クマの市街地への出没が相次ぎ、人的被害も出ている中、市町村の判断で特例的に市街地での猟銃の使用を可能とすることなどを盛り込んだ改正鳥獣保護管理法が、今月1日に施行された。
従前の同法では住宅が密集している市街地で猟銃を使用することは禁止されてきたが、改正法では▽ヒグマやツキノワグマが住居や広場などに侵入またはその恐れがある▽危害防止が緊急に必要▽銃猟以外で的確かつ迅速な捕獲が困難▽住民らに弾丸が当たる恐れがない──と市町村長が判断した場合、緊急銃猟を可能としている。
これを踏まえ、村上、阿部の両議員が、改正法施行を受けた町としての対応について質問した。
町は今月、改正法施行に合わせてマニュアルを作成。これをもとに、年内をめどとして人員確保や関係機関への協力要請、備品確保など体制を整備することとしている。
神田謙一町長は「条件を満たして初めて緊急銃猟が可能となる。クマなどが市街地に出没しても、必ずしも緊急銃猟で対応するのではなく、現場の状況などを確認しながら、これまでのように花火等による追い払い、わなによる捕獲なども含め、適切な方法を選択して対応に当たっていきたい」との方針を述べた。
ハンターの選任と育成に関する再質問に対して、佐々木暁文林政課長は「猟銃の使用については現状、町鳥獣被害防止対策実施隊の方々を想定している。鳥獣保護管理法においては猟銃を使用する人の要件が定められており、町のマニュアルにおいても、求める知識などを明記している。その条件等を示しながら、5人程度を選任または推薦してもらう形にしていきたい」と説明。
加えて、佐々木課長は「緊急銃猟は最終的な手段と捉えており、実施するケースは限定的。例えば学校の校舎内にクマが侵入して膠着状態になった時などは、緊急銃猟の判断もあろうかと捉えている」との認識を示した。
今後は、住民への周知を図り、実際の場面を想定した訓練も行う予定としている。
今定例会の日程次の通り。
▽19日=▽本会議(一般質問、議案審議)、決算審査特別委員会▽20日~23日=休会▽24日~26日=決算審査特別委員会▽27日~29日=休会▽30日=本会議(議案審議等)▽10月1日=本会議(常任委員・議会運営委員選任等)