親子向けに初の移住体験 市が2泊3日で実施 保育留学のニーズ調査で企画(別写真あり)
令和7年9月23日付 7面
陸前高田市は21日から23日まで、未就学児を持つ県外の親子を対象とした2泊3日の移住体験プログラムを実施している。これまでは地方移住に関心を持つ個人向けのプログラムを手がけており、親子をターゲットにするのは今回が初めて。都市部に住む家族が地方に短期滞在し、子どもは現地の保育施設に通う「保育留学」のニーズ調査の一環で試験的に企画し、後日、参加者にアンケート調査を行う。(高橋 信)
参加しているのは、神奈川県横浜市の宮本達也さん(33)、美香さん(33)、莉帆ちゃん(4)、山梨県北杜市の吉田晃大さん(34)、さゆりさん(38)、尚太郎ちゃん(4)、伊織ちゃん(1)の親子2組。陸前高田市からの委託を受け、移住定住総合支援業務を請け負うNPO法人高田暮舎がコーディネートしている。
21日昼に同市入りし、市内で開催された子ども向けイベントに参加したほか、広田町の大野海岸で磯遊びを楽しんだ。
22日は、プログラムに協力する小友保育所(熊谷公子所長)に子どもを終日預け、その間、親はゆっくりと市内を巡り、移住希望者が月額1万円で居住体験できる市営住宅などを見学。夜は法人スタッフや同市への移住者らと夕食を味わいながら交流した。
23日は、箱根山の市民の森わんぱく広場や気仙大工左官伝承館を訪ねる予定。
仕事の関係で、宮城県気仙沼市に3年間暮らしたという達也さんは「陸前高田は海も山もすぐそばにあり、かつ不便なく過ごせる。妻も私も、子どもが伸び伸びと過ごせる東北での暮らしに興味があった。今回のツアーで地方での暮らしをより明確に想像でき、参加できて良かった」と笑顔で話した。
吉田さん夫妻は息子2人を保育所に預けている間、気仙町の震災津波伝承館を見学。さゆりさんは「子どもがいるとゆっくり見られないところも巡ることができ、良いプログラムだった。陸前高田は出会う人みんなとても優しく、心が温かい。震災を乗り越えたからこそある団結力のようなものを感じた」と関心を寄せた。
同市では、高田暮舎内に移住定住の相談に対応するワンストップ窓口を設置。移住コンシェルジュが丁寧に応じ、相談件数は令和4年度104件、5年度182件、6年度218件と着実に伸びている。
保育留学(保育園留学)は、若い家族に田舎暮らしを堪能してもらい、人口減少の解消につなげようと全国の地方自治体で取り入れる動きが広がっている。同市でも導入可能かどうか、まずはニーズを確かめようと、年2回実施している移住体験プログラムの対象者を親子に限定し、今回試験的に実施した。
自身も息子が未就学児の時に、夫との家族3人で京都府から同市に移住した高田暮舎移住コンシェルジュの石田裕夏さん(38)は「興味があっても、子どもが小学校に入ってしまうと地方移住しないというケースがあると思う。その前のタイミングで『移住してみたい』と思うご家族の背中を押せるような仕組みが構築できるか、まずはしっかりとモニターツアーでニーズを確かめたい」と話す。






