自慢の米 実りずっしり 親子ら参加し「たかたのゆめ」稲刈り式(別写真あり)

▲ ずっしりと実った「たかたのゆめ」を収穫し笑顔を見せる子どもたち

 陸前高田市の地域ブランド米「たかたのゆめ」の稲刈り式が21日、米崎町字川崎地内の田んぼで行われた。青空の下で親子連れなど市民らが生産者と触れ合いながら刈り取りに挑戦し、実りの秋を体感した。
 同日の稲刈り式は、生産者らでつくる「たかたのゆめ」ブランド化研究会(佐藤信一会長)、大船渡市農協(猪股岩夫組合長)、陸前高田市が共同で開いたもの。
 会場は、市と友好協定を結ぶサッカーJ1・川崎フロンターレとの交流フィールドの一つとなっている「ふろん田」。市民やフロンターレ関係者ら合わせて約80人が参加し、市のPRキャラクター「たかたのゆめちゃん」も駆けつけた。
 刈り取りは、5月に田植え式を行った約8㌃で実施。夏の高温少雨にも負けず上々の実り具合となり、一面の黄金色が広がった。
 田んぼ近くの市ライスセンターでの開会式で、主催者代表の石渡史浩副市長は「気温が高く雨も少なく心配されたが、生産者や関係者の尽力で稲刈りを迎えられた。一生懸命作業し、おいしく食べてもらいたい」とあいさつした。
 このあと、参加者らは田んぼに入り、鎌を使った刈り取りに挑戦。親子連れも多く、前夜までの雨でぬかるんだ中で初めは恐る恐る作業していた子どもたちは、慣れるにつれて刈り取りのスピードを上げ、ずっしりと実った穂を手に笑顔を見せていた。
 作業後は、ライスセンターで〝利きおにぎり〟として、たかたのゆめの新米と他品種の食べ比べも楽しむなどした。
 大船渡市から参加した佐藤新汰さん(猪川小1年)は、「稲刈りをしたのはきょうが初めて。稲は少し固かったけど上手にできた。たかたのゆめを食べるのも初めてなので、楽しみ」と声を弾ませていた。
 たかたのゆめは、日本たばこ産業㈱(JT)植物イノベーションセンターに保存されていた種もみ「いわた13号」から誕生。「ひとめぼれ」と「いわた3号」をかけ合わせた東北向け品種で、同社が東日本大震災の復興支援として陸前高田市に種もみを無償提供し、平成25年から販売用の生産が始まった。現在は市内の学校給食や川崎フロンターレ選手食堂でも提供されている。
 令和7年産は、22軒(法人含む)が作付けしており、作付面積は約50㌶。収量は245㌧を見込む。