6年度は132万人 観光入込数 市まとめ 前年度比2・5%減
令和7年9月24日付 1面

陸前高田市は、令和6年度の観光入込数をまとめた。同年度は132万2130人で、前年度比3万3859人(2・5%)減。道の駅や東日本大震災津波伝承館などがある高田松原を中心に人を呼び込み、2年連続で130万人台を堅持した。市は10年度までに年間150万人突破を目指している。
市のまとめによると、大勢の観光客が利用する道の駅高田松原の6年度来場者数は60万1300人。5年度は66万6610人、4年度は60万5100人だった。
高田松原海水浴場は6年5月、安全で美しいビーチとして認められ、国際環境認証「ブルーフラッグ」を県内で初めて取得。同海水浴場は7月中旬から8月中旬まで開設し、運営する市観光物産協会はフォトスポットを新設したほか、海水浴体験会などのイベントを開催した。
しかし、台風や天候不順の影響を色濃く受け、客数は1万6149人と、前年度比3383人(17・3%)減となった。広田町の広田海水浴場も同期間開設し、人数は5629人で、同439人(8・5%)増だった。
市全体の入込数は平成元年以降、年間100~180万人台で推移。震災で甚大な被害を受けた影響で、発災年の23年は20万人程度に急落し、それ以降、復旧・復興の進展を背景に回復傾向にあった。
令和元年度に、道の駅高田松原や震災津波伝承館を含む高田松原津波復興祈念公園が開園し、3年度、県による砂浜の再整備を終えた高田松原海水浴場が復活。
5年度はこうした観光施設などの整備に加え、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられたことが「追い風」となり、入込数は前年度比16万2793人(13・6%増)の135万5989人と、震災後最多を更新した。
市まちづくり総合計画後期基本計画(6~10年度)における入込数は、4年度の119万3000人を基準に、10年度までに30万人以上増やし、年間150万人以上を目標に掲げている。市内の観光利用は高田松原地区周辺の短時間通過型が多く、滞在型に転換できるかも今後の大きな課題となる。
市商工観光課の担当者は「県内外の観光客とともに、インバウンド(訪日外国人)のさらなる誘客も図っていきながら、観光消費の拡大や、滞在型観光の定着につなげていきたい」と見据える。