道路の被災木伐採進む 大規模林野火災 県道はほぼ完了、市道は今後本格化

▲ 県道で唯一残る八ヶ森トンネルの坑口付近をはじめ、今後も道路区域内の被災木伐採を進める=三陸町綾里

 大船渡市大規模林野火災の延焼区域内を通る県道、市道で、被災木の伐採作業が進められている。伐採対象は被害程度が高さ2㍍以上の「激」「大」で、県道である主要地方道大船渡綾里三陸線の約3・9㌔では、三陸町綾里の一部を除きほぼ完了。市道は赤崎町と綾里の計6路線約37㌔で今後本格化し、倒木など2次被害防止に当たる。(佐藤 壮)


 大規模林野火災は2月26日午後1時2分に消防覚知し、赤崎町合足地内の出火から、すぐに主要地方道を越えて延焼が拡大した。地元消防関係者に加え、県内外から駆け付けた消防隊が連日、強風、乾燥が続く気象条件下で建物被害を最小限に食い止める消火活動を展開。道路沿いには、黒く焦げた木が目立つ。
 被災木は程度によって差はあるが、倒木をはじめ管理上の影響が懸念されている。県は補正予算議決を受け、8月後半から被災木の伐採に着手し、延長3・9㌔を3工区に分けて実施。県建設業協会大船渡支部との災害協定に基づき、6事業者が作業に当たり、スピード感ある展開を図ってきた。
 道路区域の被害木約1000本のうち、伐採対象は「大」(高さ2㍍以上の焼損)、「激」(立木全体、または大部分が損傷)の被害程度となっている約4割。「中」(高さ2㍍程度までの焼損)と「小」(根元30㌢までの焼損)は、経過観察としている。
 対象被害木は自生した雑木が中心。作業では、片側交互通行措置などをとりながら幹部分まで伐採した。赤崎町内に仮置きし、太平洋セメント大船渡工場で焼却処分することにしている。沿道では、熱などで損傷した視線誘導標もあったが、全て復旧させた。
 伐採作業が残っているのは、綾里にある八ヶ森トンネルの赤崎町側の坑口部分のみ。県では早期に着手し、完了させる方針を掲げる。
 県大船渡土木センターの山本純一道路整備課長は「道路区域では伐採を行ったが、引き続きパトロールの際に確認しながら、道路に影響を及ぼす木を確認した時には、適時対応したい」と話す。
 市も市議会9月定例会で被災木伐採事業の関連費用が盛り込まれた一般会計補正予算可決を受け、事業実施に向けた準備に入った。これまでも、延焼範囲内にある市道では、重要な路線を中心に週に1度パトロールを実施し、通行の支障となる緊急度の高い被災木を撤去している。
 今後進める事業では、火災の影響があった樹木のうち、県と同様に「激」「大」を対象とする。枝葉部分までほぼ枯れている被災木を伐採することにしている。
 対象の市道は、赤崎町が蛸ノ浦合足線、三陸町綾里が白浜小石浜線、小石浜砂子浜線、展勝地砂子浜線、殿畑線、綾里岬線で、延長は36・7㌔。伐採は約200本を見込む。来月から委託による事業実施に入る方針で、来年3月の完了を目指している。
 大規模林野火災を巡る被災木を巡っては、市が建物などに倒れる2次被害を防ぐ目的で「被災危険木除去事業費補助金」を創設し、申請を受け付けている。伐倒や除去の経費のうち、9割、最大90万円を補助。市農林課で申請、問い合わせに対応している。今夏から受け付け、10件を超える申請があるという。