水道料金改定案を承認 市審議会 高齢者、低所得者を考慮し原案修正 来月からパブコメ実施
令和7年10月8日付 1面
陸前高田市水道事業審議会(安田留美会長、委員15人)は6日、市役所で開かれ、市事務局は前回会合で委員から出た意見を反映させた水道料金改定案を示した。原案は令和10年度、15年度の2段階に分けて月基本料金(一般用)を現行より200円ずつ合計400円引き上げる計画だったが、修正案は最終的な値上げ額を200円に抑え、減収分を超過料金で補うこととした。同日の協議で承認され、11月に料金改定を含む市水道事業経営戦略(3~12年度)の素案のパブリックコメント(意見公募)に入る。(高橋 信)
委員12人が出席。8月の前回会合で示された料金改定案に対し、委員から高齢者や低所得者への配慮を求める意見が聞かれ、同日は前回の協議を踏まえて料金体系を見直した修正案が説明された。
現行の水道料金は、5立方㍍までの基本料金(一般用)が月額1300円で、それ以上使用した場合は超過料金として1立方㍍当たり150円が加算される。
原案では、10年度に基本料金を現行比200円増の1500円、超過料金を1立方㍍当たり同30円増の180円に増額する。15年度に基本料金をさらに200円引き上げ、超過料金を据え置く方針だった。
修正案では、基本料金の値上げは15年度の一度のみで、金額は同200円増の1500円とする考え。原案より200円減収となる分を補てんするため、超過料金を1立方㍍当たり同50円に引き上げた。
委員らは、水道事業経営戦略期間後の料金体系見直しの可能性や、未給水区域への支援策などを巡り協議。修正案は原案通り承認された。
パブリックコメントは11~12月の約1カ月間行い、年明けの審議会で公募した意見を反映した経営戦略改定案を審議する。現段階では来年2月下旬のホームページ公開を予定している。
市によると、有収水量、給水収益は人口減などを背景に右肩下がりで、将来予測のシミュレーションでは料金改定を行わない場合、12年度に予算ベースで886万円の純損失を計上し、以降、赤字額が増加していく見通し。7年度時点で6億4606万円ある事業の現金預金は、17年度時点で2億857万円まで減少すると推計する。
こうした予測を踏まえ、市は経営戦略の基本方針を見直し、料金改定に踏み切り、経常収支比率と料金回収率の向上を図ることとした。10年度には水道事業を含む公営企業会計全体で市一般会計からの基準外繰入金を5年度(5450万円)対比で20%減らす目標を立てている。
20立方㍍使用する場合の月額料金(一般用)修正案は別掲。






