地場の魅力 たっぷりと 市産業まつりが開幕 大船渡駅周辺地区 きょうまで多彩な催し
令和7年10月12日付 1面

第43回大船渡市産業まつり(実行委主催)は11日、大船渡町の大船渡駅周辺地区(おおふなぽーと前)で開幕した。本州一を誇るサンマの水揚げが昨年を上回る数量で推移している中、炭火焼きの無料提供や限定販売で歓迎。旬の食材を生かした飲食・物産販売や工業展に加え、新企画も織り交ぜながら、幅広い角度から地場産業の魅力を発信する。12日も午前10時~午後3時に開催される。(佐藤 壮)
開幕セレモニーでは、実行委員長を務める渕上清市長が大規模林野火災に対する支援への感謝に触れながら「これほど多くの団体が一堂にそろう機会はなかなかない。存分に楽しんでほしい」とあいさつしたほか、まつりに合わせて行われる太平洋セメント大船渡工場のライトアップを紹介。景気づけの餅まきも行われ、来場者の歓声が響き渡った。
屋外でのサンマの炭火焼き提供では「さんま焼き師」がじっくりと焼き上げ、歓迎の思いを香りに乗せた。今年は大ぶりの魚体が多いとあって、市内外から楽しみにしていた来訪者が列をつくった。
奥州市の佐々木麻美さん(51)は友人らを誘い、さらに新米のおにぎりも持参。「今年で3回目だが毎年楽しみにしている。サンマの炭火焼きだけでなく、体験が多いのも魅力」と話した。一緒に訪れた同市立水沢中の佐々木潤希さん(1年)は「サンマはとてもおいしい」と語り、笑顔を見せた。
今年は昨年を上回る87団体が出展し、このうち特産品販売コーナーが半数を占めた。さらに銀河連邦・友好都市物産展や産業紹介コーナーが設けられ、それぞれ工夫を凝らした販売・発信で盛り上げた。
同市が今夏に日本遺産「みちのくGOLD浪漫」に追加認定されたのを受け、砂金取り体験コーナーを新たに開設。大船渡駅周辺地区での開催となってからは初めて、菓子工業組合気仙支部が販売コーナーを構えて「スイーツまつり」を開催し、バナナボートやシュークリーム、ドーナツの販売が人気を集めた。
この日は曇り空に覆われ、肌寒さも感じさせる一日に。飲食・物産コーナーでは身も心も温める飲食物の販売が充実し、会場内の各所でにぎわいが生まれた。生ワカメの詰め放題や子ども向けの木工体験でも活気が広がった。
ステージでは、大船渡東高校太鼓部を皮切りに、岩手大学さんさ踊りステージや初企画のカラオケ大会が続いた。おおふなぽーと内では大規模林野火災の写真を展示し、被害状況や各地で開催された復興支援イベントを伝え、多くの団体・地域からの支援に対する感謝を発信した。
12日も、炭火焼きのサンマ500匹無料振る舞いコーナーを設け「さんま焼き師」が腕を振るう。午前10時から先着順で整理券を配布。会場では、まつり限定価格の1匹300円で炭火焼きサンマを販売する。
郷土芸能ステージや各事業者の販売・体験コーナーに加え、大船渡の産業をテーマとした「まちなかジオハイク」や、フォトコンテストも開催。午後2時からは「さんま大漁旗コンテスト」の表彰式も予定されている。