電動アシストカー貸与へ キャッセン大船渡など 周辺の災害公営住宅入居者に
令和7年10月15日付 2面

大船渡市の㈱キャッセン大船渡とNPO法人きょうせい大船渡は、キャッセン大船渡から約1㌔以内の災害公営住宅入居者向けに、電動アシストカーの無料貸し出しキャンペーンを行う。買い物をはじめ、外出しやすいまちづくりに向けた取り組みの一環。第1弾は20日(月)まで申し込みを受け付け、2台限定で24日(金)から1週間貸し出すことにしている。
14日にキャッセン内で開かれた説明会には、災害公営住宅3団地の関係者が参加。キャッセン大船渡の千葉隆治取締役は「キャッセンから離れている国道45号から山側の地域で、足の確保が課題と聞いている。何らかのお役に立てれば」とあいさつした。
説明では、申し込みや充電の方法などを確認。実際に試乗し、簡単な操作で歩く程度の速さで移動できる利便性などを体感した。
田中東団地の笠井政利さん(74)は「乗りやすいと思う。何人か申し込みした方がいいだろうと思われる人もいるし、団地の中には、免許を返納した人もいる。団地の近くで行われている歩道の補修が終われば、より快適に利用できるのではないか」と話していた。
貸し出すのは、トヨタ自動車の「C+walk(シーウオーク)」。免許が不要で、歩道も走行できる。買い物かごが収納できるほか、乗り降りしやすい高さに設計されている。
第1弾は20日まで申し込みを受け付け、22日(水)にキャッセン内で試乗し、24日~30日(木)に貸し出す。第2弾は27日(月)まで受け付け、29日(水)の試乗、31日(金)~11月7日(金)の貸し出しとなる。利用後にアンケートの協力を求め、結果は公共交通の補完・代替などへの有効性や課題の検証に役立てる。
申し込み、問い合わせはキャッセン大船渡(℡22・7910)か、きょうせい大船渡(℡47・4701)へ。
キャッセン大船渡などは昨年、次世代交通政策研究会を発足させた。免許不要で走行できる「パーソナルモビリティ」の体験試乗会をはじめ、周遊性や利便性向上を見据えた「移動に困らないまち」の取り組みを皮切りに、市全体への波及効果も視野に入れる。
キャッセン内には駐車場が確保されている一方、近年は▽公共交通によるアクセスと域内の2次交通手段の連携をスムーズにする▽近隣地域の「買い物弱者」らの日常的な足となる移動手段を確保する▽ウオーカブル(歩きやすい)施策と連動して、エリア内の周遊性や回遊性向上につなげる──といった今後の改善点が浮上。夢海公園やみなと公園など、駅周辺に整備された空間内で回遊を促す取り組みの重要性も高まっている。