町民歌から郷土を知る 小友の高齢者教室 ゆかりの場所も巡る(別写真あり)

▲ 蛇ヶ崎地内を見学する参加者ら

 陸前高田市小友町の小友公民館(吉田雄幸館長)は15日、同町内で高齢者教室の地域講座「町民歌をめぐる旅」を開いた。参加者が、昭和63年に『小友町民歌』を作曲した同町の故・千葉了道氏や、歌詞に出てくる地名にまつわる歴史などを聞き、実際に現地も巡って郷土愛を深めた。(阿部仁志)

 

 高齢者教室は同公民館の恒例行事で、今年は計5回を計画。6月の初回から、防災や健康、地元小学生との交流などを内容に各種講座を展開してきた。
 町民歌を題材にした講座は初めて企画。学習計画を立てる段階で、同市のNPO法人陸前高田まちづくり協働センター(三浦まり江理事長)から提案があった。同センターが2年前に作成・発行した冊子『みんなでつくったたかたの教科書』において、小友地区の説明で小中学校歌や町民歌を作った千葉氏について紹介している。
 この提案を受け、「町民歌について深掘りしてみよう」と、今季教室最終回の内容に採用した。
 同日は町民約20人が参加。小友地区コミュニティセンターで開かれ、同町の正徳寺の千葉達住職と同市の曳地隆元学芸員が、それぞれ講話した。
 このうち、千葉住職は、「了道さんは私の大叔父(祖父の弟)にあたる」とし、自身の記憶や家族から聞いた話を伝えた。気仙を含む各地の小中学校や高校100校余りの校歌を手掛けたことや、千葉住職の父を通じて依頼を受け作った町民歌が了道氏の「最後の曲」となったことなどを説明した。
 また、岩手大学の合唱団の指揮者を務め、毎週東京に通って自ら作曲や声楽を習いながら後進育成に努めたというエピソードに触れたうえで、岩手の合唱文化発展に大きく貢献したことも紹介した。
 続いて、曳地学芸員は、町民歌1番の歌い出しで登場する地名・蛇ヶ崎の歴史について解説。蛇ヶ崎の八幡神社を中心とした城跡のことや、地名の由来になった〝ヘビの爪痕〟が残るマツの話などを語った。
 講話のあとはバスで移動し、蛇ヶ崎や箱根山など歌詞にちなんだ場所を見学。箱根山の展望台からは、晴れ空のもと輝く広田湾や美しい小友のまち全体の眺めを堪能し、町民歌のイメージと重ねた様子だった。
 参加者の70代女性は「いつか見たいと思っていたヘビの爪痕を初めて見ることができて良かった。町民歌で歌われる場所を実際に訪れてみて、海上七夕のことなど、東日本大震災以前の思い出もよみがえった」と感慨深げに語っていた。