被災跡地に活気広がる シーサイドパーク細浦 多彩に「まつもりフェスタ」(別写真あり)
令和7年10月19日付 7面

大船渡市末崎町細浦地区の緑地広場・シーサイドパーク細浦で18日、「まつもりフェスタ」(同実行委主催)が開かれた。子ども向けの縁日や「ガラポン抽選会」を織り交ぜるなど昨年以上に企画を充実させ、開幕直後から幅広い世代の住民らが来場。東日本大震災の被災跡地を利用して整備された空間に、笑顔と活気が広がった。(佐藤 壮)

放水体験を楽しむ子どもたち
実行委(及川和希委員長)は地域住民を中心に組織。「末崎を自らの手で盛り上げよう」と、昨年に続いて企画した。細浦地区の峰岸、細浦、神坂、中野、船河原各地域による協議会や㈱キャッセン大船渡が後援し、市の市民活動支援事業の助成も生かした。
会場では、食欲をそそるサンマの炭火焼きに加え、軽食や飲料など多彩な出店が並んだほか、子ども向けの「縁日わいわいフィールド」「エア遊具キッズフィールド」が設けられた。高さ10㍍の巨大スライダーなどから、歓声が
響き渡った。
ステージでは、実行委員で末崎小PTA会長の梅澤聖史さん(48)が「『みんなで楽しもう』がコンセプト。大人の皆さんも、この広場で笑顔になってほしい」と呼びかけた。引き続き、LAWBLOWのライブ、牛乳やコーラの「早飲みバトル」、『末崎音頭』に合わせた輪踊りなどが繰り広げられた。
チラシ持参で参加できる「ガラポン抽選券」では、米や宿泊券などを当てようと、長蛇の列ができた。町内消防団の関係車両もずらりと並び、放水体験や消防車両との〝綱引き〟をはじめ消防団員と交流を深める企画で好評を博した。
地元内外から駆け付けたボランティアが運営を支えた。同町出身で盛岡市在住の古澤有規さん(41)は、「同級生と一緒に手伝った。震災前の風景も覚えているので、活気があるのはうれしい」と話した。放水体験を楽しんだ長女の優維ちゃん(5)は「消防のホースを持つのが楽しかった」と語り、笑顔を見せた。
緑地広場は、市が防災集団移転促進事業で買い取った被災跡地の利活用策を地域と市が協働で検討し、国の復興交付金で平成30年度に整備。コロナ禍を乗り越え、式年大祭やイベントでの活用が増えている。