課題解決へ提言続々 市議会報告会 議員と住民が意見交換
令和7年10月22日付 2面

大船渡市議会(伊藤力也議長、議員20人)の令和7年度議会報告会「市民のみなさんと語る会」は20日夜、盛町のリアスホールで開かれた。ふるさと納税や地域内の支え合い、水産業振興などの分野ごとに、住民と議員が意見交換。大規模林野火災からの山林再生や、クマ対策など、喫緊の課題も話題に上った。
議会報告会は、同市議会が平成28年に制定した議会基本条例に基づくもの。今月9日の綾里地区に続く開催で、地域住民25人が参加した。
市議会に関する説明に続き、グループミーティング形式での意見交換は6グループに分かれ▽ふるさと納税▽山林再生▽地域の支え合い(2グループ)▽市内経済の活性化▽水産業の振興──をテーマとした。各グループで話題となった内容を発表し、意見共有を図った。
このうち、ふるさと納税では、「古民家を再生した宿泊」といった返礼品のアイデアや、市が今年追加認定された日本遺産「みちのくGOLD浪漫」の活用が話題に。山林再生では山、川、海の循環を見据えた広葉樹の植樹推進に加え、大規模林野火災の復旧事業充実に向け「全国からカンパを受け、所有者の負担を下げることはできないか」といった声もあった。
地域の支え合いを巡っては、住民組織などでの役員のなり手不足が叫ばれる中、報酬の見直しやリーダーを育てるまちづくりの重要性が浮き彫りに。別のグループでは「クマの問題を何とかしないと、大変なことになる」との意見も出た。
市内経済の活性化については、ケセンロックフェスティバルなど各種イベントを生かした振興に向け、ボランティア確保などを含めた支援の重要性を挙げる声も。水産業では、漁業と観光業の連携を見据え、漁協の枠を超えた取り組みでも意見を交わした。
報告会を終え、伊藤議長は「さまざまな意見、提言が寄せられた。林野火災や物価高騰、地域経済などで、皆さんが課題感をかなり持っている。いい形で提言ができるよう取り組みを強化したい」と話していた。