自慢の産品 めじろ押し きょうまで産業まつり 88団体が出店 アバッセ駐車場など会場に

▲ 大勢の人が詰めかけた広田湾漁協の水産品販売ブース

 陸前高田市産業まつり(同実行委主催)は25日、高田町の商業施設「アバッセたかた」周辺で始まった。前年比6団体増の88団体が出店し、広田湾産の魚介類や気仙川の天然アユ、米崎りんごをはじめ、陸前高田自慢の産品が販売された。東日本大震災を機に交流を続ける友好都市が出店するなど、支援を力に変えて復興してきた同市の特色を満喫できる催しとなり、活気にあふれた。26日まで。(高橋 信)

 

 25日は曇りとなったが、市内外から多くの人が来場した。販売開始を前に長い行列ができたのは、広田湾漁協ブース。この日定置網漁で水揚げされた魚介類を買い求める客が大勢詰めかけ、漁協職員も「例年にない人出だ」と対応に追われていた。
 特設ステージのプログラムは、高田保育所、気仙保育所、竹駒保育園のパフォーマンスで開幕。恒例の餅まきには大勢の人が集い、活気づいた。
 かわいらしいダンスを披露した高田保育所年長の大和田帆夏ちゃん(6)は「ちょっと恥ずかしかったけど、みんなに拍手してもらってすごくうれしかった。餅は2個取れました」と満面の笑みを浮かべた。
 震災後の支援などを端緒に、友好関係にある愛知県名古屋市、三重県松阪市、佐賀県武雄市は今年も出店。
 名古屋市は、カレーきしめん、だしきしめんを販売したほか、同市のまちづくり会社㈱ナゴノダナバンク(市原正人、藤田まや両代表取締役)と、愛知淑徳大建築学部が共同で制作した陸前高田市の市街地模型を展示。模型は、同学部の教授も務める市原代表取締役や学生らが検討した宿泊、物販施設、広場エリアなど、にぎわい創出へのアイデアを落とし込んで作り、来場者が学生の説明を受けながら関心深げに見学した。
 令和2年以降、陸前高田市のまちづくり会社や商業者らと交流を続ける市原代表取締役は「交流はあくまで何かを始めるきっかけで、ゴールではない。名古屋市がせっかくつないでいただいた貴重なご縁。陸前高田のまちの力になれるようなものが一つでも実現できるよう、学生とともにこれからも関わり続けたい」と熱意を語った。
 産業まつりは、同市の秋の目玉行事。昨年度は11月上旬に2日間の日程で催し、来場者数は合計約1万人(前年度比1000人減)だった。
 実行委員長の佐々木拓市長は「当市の産業を支える事業者と、事業者を支える市民らが一堂に会する場。実りの秋を迎えることができ、陸前高田のおいしいものを堪能する楽しいイベントになればいい」と願いを込めた。
 26日の開催時間は、午前9時~午後3時。特設ステージでは氷上共鳴会の氷上太鼓演奏を皮切りに、アーティストライブ、キッズダンス、楽器演奏などを予定。まちなか広場周辺ではまちなかまつり(高田まちなか会主催)が同時開催される。