SUP人口増へこぎ出す 地域おこし隊・植田さん 県内初のジュニアクラブ発足 小学生2人が所属
令和7年11月6日付 7面
陸前高田市地域おこし協力隊の植田豊デンゼルさん(30)は、県内初となるマリンスポーツ「SUP(スタンド・アップ・パドルボード、サップ)」のジュニアクラブを立ち上げた。1期生は米崎小5年生の2人。ともに今夏のSUP体験会で楽しさに目覚め、大会出場も果たした。植田さんはSUPの普及、競技人口の裾野拡大を見据えながら、ジュニア生に海に親しむ機会を提供している。(高橋 信)
クラブ名は、植田さんが店主として切り盛りする広田町のSUP専門店名を冠した「THE BLUE SUPジュニアクラブ」。所属しているのは佐藤天晴さん(米崎小5年)と佐々木湊斗さん(同)で、7月に市内で開かれた体験会をきっかけに入会した。
練習は週2回、広田町の大野海岸や米崎町の脇之沢漁港で実施。現在は今月中旬に群馬県で開催される大会に向け、心肺機能強化や体幹を鍛えるトレーニングを重ねている。
佐藤さんは「海の上でパドルをこいだときの感覚が楽しい。もっとバランス良く乗れるようになりたい」と目を輝かせ、「海で遊ぶことは少なかったけど、クラブチームに入って増えた。まだ2人なので、仲間が増えればうれしい」と期待する。
先月、栃木県で行われた大会の高学年キッズ500㍍の部で3位に入った佐々木さんは、クラブの練習日以外も連日、脇之沢漁港で自主練習を積む。「毎日SUPができて楽しい。もっと速くなって、次こそは大会で1位になりたい」と抱負を語る。
家族も熱心に練習する2人を応援する。佐藤さんの父・仁さん(39)は「自分からスポーツをやりたいというタイプではなかったので、単純にうれしい」と目を細め、佐々木さんの父・学さん(42)は「SUPを楽しむイベントが地元で増え、競技人口増につながってほしい」と願う。
「サップのまち陸前高田」を目指して普及に取り組む植田さん。「ジュニアクラブを発足できてうれしい。これからもパドラーを増やしていきたい」と見据える。






