椿サミット成功や復興願い 五島市のツバキ愛好家 岩永さんから「玉之浦」届く
令和7年11月8日付 2面
令和8年3月14日(土)、15日(日)の両日に大船渡市内で開催される全国椿サミット大船渡大会まで残り半年を切った中、このほど、前回の大会開催地となった長崎県五島市のツバキ愛好家・岩永章さん(77)から同市原産の「玉之浦」の種子約200個が、一般社団法人日本ツバキ協会大船渡支部(大船渡ツバキ協会、林田勲会長)に届けられた。サミットの成功と、大船渡市大規模林野火災からの早期復旧・復興の願いを込めて寄贈された種子は、主に大船渡のツバキ関連施設で活用していく計画。
玉之浦は、赤い花弁を白く縁取った姿が特徴的な五島市原産のツバキ。昭和22年、炭焼業の故・有川作五郎さんが発見した。名前の由来は五島市の旧町名・玉之浦で、町長を務めていた故・藤田友一さんが命名し、世に広めたとされている。
藤田さんからツバキの栽培方法について学んだこともあるという岩永さん。40年以上、ツバキの栽培を続けており、育てているツバキは100種類にものぼる。現在は、ツバキの種子や苗を各地の団体などに贈り、普及活動にも力を注いでいるという。
五島に続く開催地となった大船渡に縁を感じ、また、東日本大震災と大規模林野火災からの復興のさなかであることに心を寄せて、玉之浦を贈ることを決めた。「津波や火災があり、ツバキの数も減ってしまったのではないかと思う。再び、大船渡の至る所でツバキが確認できるようになってほしい。次の開催地ということで縁も感じている。ちゃんと育ってくれたらうれしい」と、活用に期待を込める。
大船渡ツバキ協会の林田会長は「できるだけ多くの種子を苗の状態に育てられるよう、大切に管理させていただく。これから、具体的な活用方法について市と話し合っていく」と、遠方からのエールに感謝していた。






