市役所 窓口業務時間を試行短縮 来年1~3月、新年度の本格実施検討
令和7年11月9日付 1面
大船渡市は来年1~3月に、窓口業務時間の試行的な短縮を行う。本庁の一部窓口で実施している月曜日と金曜日の窓口対応時間を午後6時30分までから同5時15分までに改めるほか、三陸支所と綾里、吉浜の両地域振興出張所の窓口対応時間も短縮し、昼には休止時間を設ける。職員の恒常的な時間外勤務削減などが目的。試行期間の検証を踏まえ、4月以降の本格実施を検討する。(佐藤 壮)
本庁 …月、金曜日も一部窓口午後5時15分まで
支所・出張所…午前9時~午後4時、昼休みも
市役所本庁では現在、月曜日と金曜日に一部窓口(市民環境課・国保医療課・税務課)で午後6時30分まで対応している。1月からの試行では月曜日~金曜日いずれも午前8時30分~午後5時15分とする。
窓口延長はこれまで、市民の利便性向上の観点で実施。一方、昨年6月~今年3月の利用状況を調べたところ、延長時間帯の利用は全体の6・6%、1日平均の取扱件数は14件にとどまった。このうち、3分の1はコンビニ交付サービスで対応可能な手続きだった。
見直しにより、市はより需要の高い市民サービスや、デジタル化の推進に生かしたい考え。職員の時間外勤務が減り、持続可能な行政運営につながるコスト削減も期待できるという。
一方、マイナンバーカードの交付や、電話申請による住民票の写しなどの交付は、引き続き休日も行う。マイナンバーカードを利用し、全国のコンビニで各種証明書を取得できるサービスの周知・推進にも力を入れる。近年取り入れている「書かない×ワンストップ窓口」の拡充や、市役所に行かなくても手続きが完了する「行かない窓口」の充実も目指す。
三陸支所と綾里、吉浜の両地域振興出張所は現在、午前8時30分~午後5時15分に窓口を開設。1月からの試行では、午前9時~午後4時とし、午前11時30分~午後0時30分には窓口業務を休止する。
現在、窓口の開設時間が職員の勤務時間と同じであることから、時間外勤務が生じやすい流れになっている。さらに、休憩時間中にも窓口業務を行っている中、職員の働き方改革の一環として見直しを進める。一般的な会社員の昼休み(正午~午後1時)を考慮し、時間帯を設定した。
市は11月発行の市広報に記事掲載を計画。SNSによる情報発信にも力を入れ、試行期間中には昼の休止時間帯にかかるアンケート調査も行うことにしている。試行期間における検証を踏まえ、令和8年4月以降の本格実施を検討する。
市は当初、綾里、吉浜両地域振興出張所を来年3月末で廃止する計画だったが、大規模林野火災に伴う窓口事務の一時的な増加などを踏まえ、1年先送りする。出張所窓口事務の郵便局への委託開始は令和9年2月、出張所の廃止は3月、綾里地区コミュニティ施設・綾姫ホールと、吉浜地区拠点センターの指定管理者制度導入は4月を予定している。





