ごみ集積所も停留所に AIが運行ルートを選定 来月からデマンド交通実験 市西部で実施 市が住民向けに説明会
令和7年11月12日付 1面
陸前高田市は11日、気仙町の今泉地区コミュニティセンターで、来月から市内西部エリアで運行するAIオンデマンド交通「たかたスマートモビリティ」実証実験の説明会を開いた。事前に予約すると、人工知能(AI)が最適なルートで効率的に配車する乗り合い型の新たな交通サービス。既存のバス停留所だけでなく、自宅そばのごみ集積所などから乗り降りできる。実験は来年3月末までで、説明会は今後、運行エリア内の地域などから要望があれば、随時開催する。 (高橋 信)
今泉地区コミセンで行われた説明会
AIオンデマンド交通は、時刻表や決まった経路を設定せず、予約状況などに応じてAIが選んだ最適ルートを走るサービス。スマートフォンのアプリやコールセンターへの電話などで配車予約を受けて運行する。
乗降場所を多く設定できるため、既存の路線バス停留所よりも自宅に近い場所で乗り降り可能となり、利用者の利便性向上、輸送コストの低減、交通空白区解消などが期待される。
実証実験は、市西部の循環バス「たかたコミュニティバス西部線」運行エリアを主とする高田、気仙、竹駒、矢作、米崎の各町内一部地域で実施する。乗降場所は、同西部線の既存停留所や医療施設、商業施設、主なごみ集積所の計100カ所に設ける。
11日の説明会は、今泉公民館による高齢者教室「ふきのとう大学」の第3回講座を兼ねて行われ、受講者約30人が参加。市まちづくり推進課の小野勝彦課長補佐らが運行形態や予約方法などを伝えた。
気仙町の河野和子さん(88)は「車のない高齢者にとって便利な仕組みだと思う。使い方が分かれば、さまざまな人が利用するのではないか」と関心を寄せた。
利用予約は、専用アプリ、市公式LINE、電話から可能。会員登録が必要で、予約は電話を除き、利用直前でも受け付ける。
誰でも利用でき、運賃は大人200円、高校生以下100円(未就学児や障害者は無料)。アプリやウェブ予約の場合は、大人100円、高校生以下50円と半額になる。
実験期間中は同西部線を運休する。今後、停留所を一覧にしたマップを作るなど周知方法を検討していく。
小野課長補佐は「地域にとってなじみがなく、ハードルが高いサービスかもしれないが、利用者、交通事業者双方にメリットがある。持続可能な公共交通を構築するための選択肢の一つとなるよう周知に努めたい」と話す。
説明会は同西部線運行エリアを対象に、公民館などの単位で申し込みがあれば、随時開催する。
問い合わせ、申し込みは、まちづくり推進課(℡54・2111内線121)へ。






