クマ目撃11日現在45件 前年同期の2・3倍 市 HPに情報載せ注意喚起
令和7年11月14日付 1面
クマが人の生活圏に出没するケースが全国的に多発している事態を踏まえ、陸前高田市は市民に注意喚起している。市内における本年度目撃情報は、11日時点で45件と前年同期の2・3倍に増えた。人的被害は現時点でないが、今月は連日のように出没しており、市は全庁で対応を検討する「クマ対策関係課会議」を開催。市ホームページ(HP)には目撃情報の一覧と出没マップを新たに載せ、情報発信に当たっている。
本年度、市内では4月から6月まで月4、5件の目撃情報が寄せられた。夏に一度、落ち着いたが、9月に入って再び増加。同月は6月と同数の5件、10月は9件となり、今月は11日時点で16件と、それまでで月間最多の10月をすでに上回っている。
今月1~4日は竹駒町滝の里の滝の里町内会館付近で、目撃情報が集中した。一時、1頭が同会館そばに居座っていたとの情報もあり、市は箱わなを設置し、警察、市鳥獣被害対策実施隊が現場で警戒に当たった。
こうした事態を受け、市は4日、佐々木拓市長や幹部職員らによる「関係課会議」を開催。クマ出没時の連絡体制のほか、自治体判断で市街地での銃猟が可能となる「緊急銃猟制度」の実施体制、手続きなどについて確認した。
クマの目撃情報はSNSや防災行政無線でその都度流しているが、市民らが場所や状況などを別の手法で把握できるようにと、市HPに目撃情報一覧とマップを掲載。本年度捕獲数(11時点で累計6頭)も載せている。今後、週1回程度のペースで更新する。
県内ではクマによる人的被害が発生しており、気仙では住田町で6月に60代男性がけがを負った。10月には同町で自宅敷地内から飼い犬が連れ去られたとみられる事案も起きており、気仙全域で緊張感が高まっている。
市農林課林政係の担当者は「今月は毎日のように行政無線で、クマの目撃情報を放送している状況。さまざまなことに影響が及んでいるが、安全が第一。目撃された場所近辺に住む市民らは朝晩の外出を可能な限り控え、柿の木などクマを引きつけるような農作物を放置しないようご協力をお願いしたい」と呼びかける。
問い合わせは同係(℡54・2111内線474)へ。
11日時点における本年度のクマ目撃情報は別掲。






