地域の伝統を次代へつなぐ 民俗芸能継承フェス 市内11芸能団体が競演(別写真あり)

▲ 大船渡市内の11芸能団体が活動の成果を披露した

 大船渡市郷土芸能活性化事業実行委員会(三条勝芳委員長)による「大船渡市民俗芸能継承フェスティバルpart3」は16日、三陸町越喜来の三陸公民館で開かれた。市内の郷土芸能11団体が出演して練習の成果を披露し合い、それぞれの地域の伝統を次代へつないだ。(齊藤 拓)

 

 同実行委は令和4年まで、市内で郷土芸能の保存伝承を担う高校生以下の青少年や郷土芸能団体の会員らの発表機会として、「黄金けせん!民俗芸能大祭」と「こども郷土芸能まつり」をそれぞれ開催。5年からは、郷土芸能を大人から子どもへと継承する意味を込めて「民俗芸能継承フェスティバル」を運営している。
 約350人が来場。冒頭、三条委員長が「少子高齢化が大きく影響している中、郷土に伝わる貴重な伝統芸能を子々孫々へ継承するため、地域一丸となって取り組まなければならない。継承をテーマに、有意義な時間になれば」とあいさつした。
 同日は、▽赤澤こども鎧剣舞(大船渡町)▽前田こども鹿踊り(猪川町)▽吉浜こども鎧剣舞(三陸町吉浜)▽金津流浦浜獅子躍(三陸町越喜来)▽長安寺太鼓(日頃市町)▽西舘七福神(末崎町)▽門中組虎舞(同)▽菅生田植踊り(立根町)▽野形剣舞(三陸町綾里)▽甫嶺獅子舞(三陸町越喜来)▽浦浜念仏剣舞(同)──が出演した。
 発表では、各芸能の由来やいわれとともに、保存団体の活動内容も紹介。それぞれの地域の子どもと大人たちが練習の成果を披露し、伝統をつないだ。
 このうち、赤澤こども鎧剣舞のメンバーは、来年1月に東京都での発表も予定する。舞台に立った大久保美愛さん(大船渡中2年)は「東京の方々にもすごいと思ってもらえるよう練習している。今日は一番うまく踊れた」と、栗村海誠さん(第一中1年)は「父の踊る様子を見て剣舞を始めた。練習の中で教わったことを東京の本番でも生かしたい」と話した。