クマ被害から身を守ろう 市内の2小学校 児童らが避難行動学ぶ
令和7年11月19日付 7面
敷地内への出没想定し訓練/竹駒小
陸前高田市竹駒町の竹駒小学校(五安城宏彦校長、児童32人)で18日、敷地内へのクマの出没を想定した避難訓練が行われた。同様の訓練は市内では初めてであり、児童と職員らは防火扉で守られた2階へ避難するなど、危険から身を守るための行動を確認した。
今月に入り、滝の里地内で連日クマが目撃された同町。同校の児童らは12日にも、避難訓練に先駆けたクマ対策として、市農林課を講師に防災学習を実施。クマに遭遇しないための知識や、遭遇した際の身の守り方を学んだ。
18日の避難訓練は、学習内容を生かし適切な避難行動を身に付ける狙い。クマを対象とした訓練は市内初の試みで、職員らは不審者対応訓練をもとに避難方法などの対策を練った。
訓練は休み時間中、校舎裏にクマが出没した想定で実施。避難場所は、防火扉を閉めることでクマの侵入を防げるうえ、退避路がある2階の教室とした。
職員らはクマを刺激しないよう落ち着いた声で校内放送を行い、校庭や1階にいる児童らの避難を誘導。無線で連絡を取り合い、危険がなくなるまで待機する手順を確認した。
クマの出没が相次いで間もないこともあり、児童らは事前の学習を生かして大声を上げずに避難。大坂琉晴さん(6年)は「クマの目撃が多かったときは、外に出ないようにしていた。校庭でクマに出合ったら、後ずさりして校舎に逃げることを心掛ける」と話した。
クマの生態知って正しい行動を/横田小
横田町の横田小学校(佐々木寿子校長、児童39人)の児童と保護者らは同日、野生動物の生態や危険性を知る「家庭教育学習」を行った。クマについて理解を深め、遭遇した際に正しい避難行動につなげられるよう学んだ。
家庭教育学習は、同校PTA(菅野勝会長)の安全委員会が主体となり、市立博物館の浅川崇典学芸員を講師に迎えた。
浅川学芸員は、同市の山で見られる動物には、身を守るために毒を持っていたり、攻撃をする生き物がいることを説明。中でもツキノワグマは脚力に優れ、追いかけられると容易に逃げられないことを伝えた。
このほか、クマについて5~6月にかけて冬眠穴から離れ始めるといった生態や、今年はクマの出没が多く、県内では昨年を大きく上回る人身被害が発生している現状も解説した。
浅川学芸員は、クマに遭遇した際の対処法として、大声を出さず、距離を取るなどの対処を児童らに説明。
一方で、「クマは走るものを追いかける習性があり、走って逃げてはいけない。早朝と夕方に活発に行動するので、その時間帯のジョギング中などは注意を。クマとの間に車や木のような障害物があれば、それを間に置き、後ずさりして逃げること」と話し、正しい知識を持って避難行動をとるよう指導した。
浅川学芸員(奥)がクマの生態や避難行動について児童らに説明=横田小






