地域課題巡り意見交換 市政懇談会スタート 12月22日まで市内10地区で
令和7年11月19日付 1面
陸前高田市の佐々木拓市長と市民が地域課題を巡って意見を交わす市政懇談会は17日、矢作町の下矢作地区を皮切りに始まった。12月22日(月)までに市内10地区で順次開催される。初日は洪水対策や道路改良工事などに関する意見・要望が聞かれ、市担当者が現状や見通しを説明した。
17日は下矢作地区コミュニティ推進協議会(佐藤信一会長)が主催。住民約20人が参加し、市側は佐々木市長、石渡史浩副市長、山田市雄教育長、部長級職員らが臨んだ。
地区からの要望事項は▽矢作川の洪水被害防止対策▽内水被害対策▽金屋敷地区の避難対策▽JR陸前矢作駅裏の集落の避難対策▽市道今泉下矢作線の道路改良工事の早期実施──など9項目。
このうち、JR陸前矢作駅裏の集落の避難対策は、矢作川に面する低地部の集落における避難路の整備を求めるもの。菅野誠建設部長は「以前、一部を改修したが、階段となっているため使い勝手が悪いようだ。来年度以降、スロープにしたいと考えており、少し時間をいただきたい」と回答した。
今夏の記録的な少雨に伴い、矢作川が渇水した事態を踏まえ、農業用水確保を求める意見も聞かれた。
細谷勇次農林水産部長は「本年度は河川からの臨時的なポンプアップを行った。来年度以降も渇水状態となれば、同様の対応をとれるよう調整していきたい」と述べた。
このほか、佐々木市長が掲げる選挙公約「大学誘致」を巡り、現在の進ちょく状況を尋ねる参加者も。市長は「相手があることなので、なかなか情報を出せないが、本年度中に方向性が示せるのかなと思っている」と答えた。
市政懇談会は、市の取り組みの現状を市民に直接説明し、各種課題に関する意見・要望を聞き取るのが狙い。市と各地区コミュニティ推進協議会が毎年交互に主催し、市内11の地区コミセン単位で開いている。
本年度は地区コミュニティ推進協議会が主催。18日は竹駒地区で開かれた。生出地区は20日(木)を予定していたが、クマの出没が相次いでいるため中止した。
19日以降の市政懇談会は次の通り。会場はいずれも地区コミセン(横田地区のみ川の駅よこた)。時間は午後6時30分から(矢作地区は午後2時から)。
▽19日=今泉地区▽21日(金)=長部地区▽12月15日(月)=小友地区▽16日(火)=矢作地区、米崎地区▽18日(木)=広田地区▽19日(金)=横田地区▽22日=高田地区





