災害時には住民一丸で 児童ら参加し避難所設置体験 上有住地区(別写真あり)
令和7年11月20日付 7面
住田町の上有住地区民生委員児童委員協議会(中澤正雄会長)は19日、有住小学校体育館を会場に避難所設置体験学習を行った。同校児童や県立住田高校の生徒有志も参加し、避難所開設時に設置される段ボールベッドやテントの組み立てを体験。人口減少、高齢化が進行する中、有事の際には住民一丸で対応しようと、世代を超えて防災意識を高めた。
同協議会活性化事業の一環として実施。これまで、同地区の民生児童委員は高齢者の見守りを主に行ってきたが、地区内で人口減少が続く中、災害時には児童・生徒の協力も必要となる可能性があることから、「子どもたちのためになることを」と避難所設置体験学習を企画した。
この日は、町社会福祉協議会や町、日赤県支部などが協力し、有住小は防災学習の一環として全校児童42人が参加。「いわての復興教育スクール(内陸)」事業で、町内の拠点校として異校種、地域、関係機関、行政と連携しながら防災教育の充実を目指している住田高校からは、2年生6人が来校した。
はじめに、体育館に入場してくる児童を対象として、高校生が避難所の受け入れ手続きを体験。その後、日赤県支部事業推進課の種田伸吾救護係長が講話。登下校中に地震が発生した際の対応として、児童に「上から物が落ちてきたり、近くの家の塀が崩れたりする危険があるので、周囲に何もないことを確認して」と対応を呼びかけた。
また、「避難所で安心して生活するためには」として、「感染症を防ぐために地面に近い場所で寝ない、飛沫感染を防ぐ」「プライベートな空間を作る」とポイントを紹介し、段ボールベッドとパーティションが有効だと説明。
児童らはその後、6グループに分かれて段ボールベッドとテントの組み立て、設置を体験。
日頃から、防災活動に積極的に取り組んでいる住田高校の生徒も児童らにアドバイスを送り、手際よく組み立てから撤去までを行った。
有住小6年生の立花快翔さんは、「災害が起きた時の対処などが詳しく知れて、いい体験だった。きょう学んだことを生かして、みんなを引っ張っていきたい」と防災意識を高めた様子。
中澤会長は「災害はいつ起きるか分からない。きょうの経験を頭の片隅に残しておいて、万が一に備えてほしい」と話していた。 (清水辰彦)






