大船渡温泉 絶景部門で5連覇達成 温泉宿・ホテル総選挙2025で1位に(別写真あり)

▲ 5連覇達成を喜ぶ大船渡温泉スタッフ

 インターネットによる「温泉宿・ホテル総選挙2025」で、大船渡市の㈱海楽荘(志田豊繁代表取締役)が運営する大船渡町の大船渡温泉が、絶景部門で1位に輝き、5連覇を達成した。立地や景観を生かすだけでなく、利用客への丁寧なもてなしで支持を広げた。「選ばれた景色は大船渡の財産」とし、同社では受賞による知名度を生かしながら、大船渡の弱みとされる冬場の観光振興などを見据える。(佐藤 壮)

 

 総選挙は、官民一体となった観光促進活動を支援する「旅して日本プロジェクト」が主催。温泉地や名産・名所等をプロモーションし、多くの人々に足を運んでもらおうと実施し、5年目を迎えた。
 今年は全国の温泉を持つ宿・ホテル158施設が参加し、絶景部門、おもてなし部門、泉質自慢部門、レトロ部門、ファミリー部門、ラグジュアリー部門、ペット同伴部門、湯治ウェルネス部門、健康/スポーツ部門など15部門で実施。絶景部門には24施設がエントリーした。
 期間は8月8日~10月31日で、計3万人以上の観光客や各施設ファンらが投票。1人の投票行動は、通常のウェブ投票に加え、宿泊先に行かないと分からない暗証番号が必要な「現地投票」の各1票に限定されており、より多くの人々の支持が求められる。
 大船渡温泉では今年も、スタッフによる「選挙対策委員会」を中心に地道な活動を展開。立地や景観の発信だけでなく、宿泊客への丁寧な対応を通じて好印象や投票行動につなげた。同委員会の委員長を務めた近藤千賀子営業部長は「これまで以上に従業員が自主的に動き、お客さまにおもてなしの心を伝え、アピール活動も一生懸命やってくれた」と振り返る。
 今年は他施設からの〝追い上げ〟で接戦が展開された時期もあった。志田繕隆支配人は「簡単ではないからこそ、喜びはひとしお。もともと、大船渡の知名度向上や、冬場の集客増を見据えて取り組んだものであり、そういった効果が生み出されるためにも、連覇を重ねたい」と話す。
 大船渡湾に面した大船渡温泉は、東日本大震災の発生から3年後の平成26年にオープン。避難生活者や復興支援で訪れる人にゆったりと過ごしてほしいとの思いから整備した。
 志田代表取締役は現役漁師でもあり、新鮮な海の幸を用いた会席料理にもファンは多い。湯船に浸かりながら移ろう海の景色や朝日を楽しめる魅力を生かし、幅広い世代がゆったりと過ごせる落ち着いた空間づくりに力を入れる。
 大船渡温泉では、5連覇達成を祝い特別キャンペーンを企画。期間は12月1日(月)~来年3月12日(木)で、予約サイトの「じゃらん」「楽天トラベル」では、1人2500円分の割引きクーポンを配布する(年末年始など一部除外日あり)。また、「一休.com」と大船渡温泉公式サイトでは、定番で人気の「漁師めしプラン」が1人あたり2500円割引きで利用できる。