相次ぐクマの出没受け 市が26日に訓練初実施 緊急銃猟の手順確認 関係機関が参加へ 滝の里町内会館付近会場に

▲ 26日に実地訓練を行う滝の里町内会館付近(今月4日)

 陸前高田市は26日(水)、竹駒町の滝の里町内会館付近でツキノワグマが出没したとの想定で、緊急銃猟制度の運用の流れを確認する訓練を初めて実施する。市内では本年度、クマの目撃情報が18日時点で50件と前年同期(21件)の倍以上に増えており、警戒感が高まっている。訓練では市、猟友会、警察、県などの関係機関が制度の一連の手順を確かめる。(高橋 信)


 緊急銃猟は、市街地に出没したクマなどを捕獲するため、市町村の判断で発砲を可能とする制度で、改正鳥獣保護管理法施行で9月に導入された。
 市町村長は▽住宅地などに侵入、またはその恐れがある▽危害防止が緊急に必要▽銃猟以外で的確、かつ迅速な捕獲が困難▽住民らに弾丸が当たる恐れがない──と判断した場合、市町村職員や委託したハンターに緊急銃猟をさせることができる。県内では洋野町種市で20日、初めて緊急銃猟が実施された。
 陸前高田市内では今月1~4日に滝の里町内会館付近で、クマの出没が相次いだ。市は箱わなを設置し、警察などが現場で警戒に当たった。
 こうした事態を受け、市は26日に緊急銃猟の訓練を実施することを決めた。高田猟友会、大船渡警察署高田幹部交番、県大船渡保健福祉環境センターなどの関係者ら約20人が参加する。
 実地訓練は、クマ1頭が同会館そばのやぶに居座っているとの想定で行う。現地本部、クマ監視、捕獲などの役割に分かれ、国が定めたガイドラインの手順に基づき、制度の一連の流れを確認する。
 付近の住民の混乱を招かないよう、25日から26日にかけて防災行政無線で訓練の実施を周知する予定。
 市によると、本年度の目撃情報は4月から6月まで月4、5件で推移し、夏に減ったが、9月から増加。今月17日から市内各地区で順次開かれている市政懇談会でもクマ対策がたびたび取り上げられ、市民からは不安の声が聞かれる。
 佐々木拓市長は「緊急銃猟制度を安全に行えるよう訓練しながら確認し、万全に対応したい。個体数を減らすよう県にも要望していく」と述べた。
 市はクマを目撃した場合の情報提供を求めている。問い合わせは、市農林課林政係(℡54・2111内線473、474)へ。

各地でクマ出没相次ぐ/20~21日

 

 気仙各地で20日夕から21日夕にかけて、クマの出没が相次いだ。寒さが本格化するのを前に、餌を探して盛んに動き回っているとみられ、外出時の注意が必要だ。
 大船渡市では、20日午後6時15分ごろ、赤崎町沢田地内の沢田公園南方に成獣1頭が出没。
 21日午前6時40分ごろ、三陸町吉浜大野地内の本郷浄水場南東に位置する住宅付近で、成獣1頭が柿の実を食べているのを住民が目撃。ハンターらが駆けつける間に姿が見えなくなったという。
 同7時20分ごろには、同町越喜来肥の田地内の国道45号で、成獣1頭が道路を横切る様子が目撃された。
 また、午後3時20分ごろ、末崎町上山地内に幼獣1頭が出没。介護老人福祉施設「つばきの丘」に近く、連日、成獣1頭が姿を現している場所で、市は箱わなを設置するとともに、近隣住民らに警戒を呼びかけている。
 陸前高田市では、20日午後7時ごろ、高田町字大石地内で成獣とみられる1頭が出没した。場所は高田第一中学校から南に約200㍍ほどで、近隣住民が目撃。市や学校が注意を促した。
 21日午後4時ごろには、矢作町上小黒山地内で1頭が目撃された。
 住田町では、21日正午ごろに下有住新切地内で1頭が目撃された。
 同日午後5時現在、いずれも被害は確認されていない。