「こどもまんなか」の推進へ 県内初シンポジウム 家庭センター整備のサン・リアから発信(別写真あり)

▲ 「こどもまんなか社会」の推進を誓い合ったシンポジウム

 大船渡市主催、こども家庭庁共催による「こどもまんなかアクションリレーシンポジウムinおおふなと」は23日、盛町のサン・リアショッピングセンターで開かれた。県内では初開催で、テレビをはじめ数多くのメディアに出演している「てぃ先生」による特別講演などを聞こうと、多くの親子連れが来場。サン・リア内に整備した市こども家庭センター「DACCO(だっこ)」の利用が定着し、令和6年度の市出生数が前年度を上回った中、さらなる子育て環境充実を誓い合った。(佐藤 壮)


 このシンポジウムは、子育て世帯への支援充実や、こども家庭庁の提唱する「こどもまんなか社会」の機運醸成などを図ろうと開催。各自治体が主体となり、これまで全国約40自治体で開催している。
 優先観覧エリアには、事前に申し込んだ親子70組150人が座り、エリア外でも多くの立ち見客が囲んだ。前半は、こども家庭庁の源河真規子長官官房審議官が基調講演。同庁の役割に加え、子の権利と尊厳を守るために、年齢や成長の程度に合わせて自分に直接関係することに意見が言えたり、活動できる大切さなどを強調した。
 引き続き、てぃ先生が登壇すると、盛大な拍手に包まれた。現役保育士で、SNSの総フォロワー数が200万人を超えるインフルエンサーとしても活躍しており、テレビをはじめメディア出演でも知られる。
 冒頭、すでに多くの父母らが子育てに関するさまざまな知識や情報に触れているとし「皆さんに、何か伝えることはないと思っている」と語りかけた。そのうえで「子育てで悩む理由は一つで、余裕がないから。持っている情報や知識を生かす時間と気持ちの余裕をどうつくるかに特化した方が、今の子育てには合っているのではないか」とアドバイスした。
 後半のパネルディスカッションは源河審議官と、てぃ先生、渕上清市長がパネリストを務めた。司会進行は、タレントのふじポンさんが担った。
 渕上市長は、市が進める子育て施策を紹介。本年度から実施している保育料完全無償化や、こども家庭センターの整備、産科がある県立大船渡病院を生かした妊産婦支援などに言及したほか、令和6年度の出生数が前年度よりも増加したことも報告。「子育てをできるだけポジティブにとらえられるようにしたい」と力を込めた。
 源河審議官は「共働き・共育て」支援の中で、男性の育児休暇取得推進などの取り組みを説明。てぃ先生は「パパも子育てをするのは当たり前だが、家庭それぞれのバランスがあっていい。育児は『50対50』が絶対良いと思い込むと、パパが仕事と育児を無理して両方やることになるかもしれない。『わが家はこうだよね』という〝黄金比〟を考えてもらった方が、全体のバランスがよくなるのでは」と述べた。
 訪れた市民らは、終始うなずきながら聴講。事前に寄せられた子育てにおける悩みに、てぃ先生が答える時間も設けられた。
 市は昨年7月、サン・リア内に市こども家庭センターを開設。同年9月には「こどもまんなか応援サポーター」として、子育てにやさしいまちの実現に向けた取り組みの推進を宣言した。
 同センターの屋内公園として多彩な遊具などがある交流広場は、1年間で5万5000人超が利用し、市の想定を大きく上回った。雨天時でも立体駐車場から傘をささずに入ることができるほか、最近は、クマ出没の懸念などから屋外での遊びを回避して訪れる親子連れも見られ、開店から40年を迎えたサン・リアの機能を生かした利便性も好評を博している。
 シンポジウムに参加した11カ月の子どもを育てる末崎町の小野寺李奈さん(32)は「きょうは特別講演を楽しみにしていた。交流広場は、よく利用している。平日に同じ月齢の子やお母さんたちと触れ合うことができるので、家庭でふさぎこむことがなく、本当に助かっている。もっと同じ月齢の子たちと過ごせる時間が広がれば」と期待を込めていた。