円滑な連携へ手順確認 猟友会、警察、県の関係者ら参加 市がクマ出没増受け緊急銃猟対応訓練実施

▲ クマが居座っているとの想定で緊急銃猟対応訓練を実施

 陸前高田市は26日、市街地に出没したツキノワグマへの発砲が可能となる「緊急銃猟」制度の対応訓練を初めて行った。市内でクマの出没が相次ぎ、県内では人的被害が多発している事態を踏まえたもので、今月初旬に目撃情報が多数寄せられた竹駒町の滝の里町内会館周辺で実施。猟友会や警察などの関係機関と円滑に連携できるよう一連の手順を確認した。(高橋 信)

 

 緊急銃猟制度は改正鳥獣保護法の施行を受け、9月に導入された。▽人の日常生活圏に侵入▽緊急な対応が必要▽銃猟以外では迅速な捕獲が困難▽住民らに危害が及ぶおそれがない——の四つの条件を満たした場合、市町村長の判断でクマなどに発砲できる。
 市内では本年度、クマの目撃情報が26日時点で56件と、前年同期(21件)の倍以上に増加。市は年内をめどに緊急銃猟の対応マニュアルを策定する計画で、これに先立ち、訓練を実施することとした。
 この日は、佐々木拓市長や市農林課、高田猟友会、大船渡警察署、同署高田幹部交番、県大船渡保健福祉環境センターなどの関係者約30人が参加。滝の里町内会館近くの原野にクマ1頭が居座っているとの想定で行った。
 緊急銃猟を実施する際には①計画の調整、市長への連絡②安全確保措置③緊急銃猟の条件の最終確認、市長への連絡④捕獲従事者への委託⑤緊急銃猟の実施、原状復帰——という手順が国のガイドラインで示されている。参加者は現地本部、クマ監視などの役割に分かれ、手順ごとに一つずつ区切って動きを確認した。
 発砲に必要な条件をすべて満たしているかどうか、チェックリストで確かめたあと、佐々木市長が緊急銃猟の実施を指示。捕獲従事者役がクマに見立てた看板に模擬銃を向けた。クマが移動したため緊急銃猟を途中で中止するケースを想定した訓練も行った。
 訓練後、滝の里町内会館で意見交換を行い、課題や成果を共有。市農林水産部の細谷勇次部長は「やってみないと分からないことがあり、訓練を実施して良かった。緊急銃猟は市のみでの対応は困難であり、引き続き、猟友会、警察、県など関係機関の協力をいただきながら進めていきたい」と述べた。
 同日、実地訓練前には、参加者が市役所で緊急銃猟制度の概要や全国の実施事例を確認した。
 高田猟友会の細谷忠弘会長(65)は「関係機関が連携していくためにも、訓練を今回だけにせず、今後も実施することが大事。緊張した中で実施でき、この訓練を土台に検討していきたい」と総括した。