陸前高田の2事業者に交付 県の「木づかい宣言」 登録書は林野火災被災木製 盛岡で
令和7年11月27日付 1面
本年度上半期(4~10月)に、新たに県産木材の積極的な利用を宣言する「木づかい宣言」を行った5業者に対する登録書の交付式は25日、盛岡市内丸の県庁で開かれた。気仙からは、陸前高田市高田町の鈴木建設㈱(鈴木健二郎代表取締役社長)と㈲山徳建設(山田直輝代表取締役)が宣言を行い、佐々木淳副知事から大船渡市大規模林野火災の被災木を使用した木製登録書を受け取った。
鈴木建設は、矢作町で運営する「民宿343イン矢作」に、フィンランドに古くから伝わる屋外サウナ「バレルサウナ」を設置。県産木材を使い、気仙大工の経験と技術でたる型に仕上げた。
鈴木代表取締役は登録書を受け取り、「木づかいサポーターとして木材を扱うわれわれが県産材の良さに触れる機会を提供したいと考え、県産ヒノキの強度、香りを感じることのできるバレルサウナの制作、設置をした。松原のテントサウナ事業に、移動可能なバレルサウナを持っていくなどの展開も考えている」と説明した。
山徳建設は、米崎町にある「陸前高田オートバイ神社」のそばに県産木材を使用した「囲炉裏のある東屋」を整備。木の温かみを感じながら火を囲み、四季を楽しめる空間を生み出した。
山田代表取締役は「腐食の少ないヒノキを使用して、爽やかな香りによる心理的なリフレッシュ効果が期待できる。囲炉裏では県産材を使用して、森林の健全化と循環サイクルを進めていきたい」と話した。
両社は12月1日(月)~7日(日)の午前10時から午後3時まで、バレルサウナと囲炉裏のある東家の2棟同時完成見学会を開催。県産木材の魅力や活用を発信する場として、広く来場を呼びかける。
今回は鈴木建設と山徳建設に加え、▽イオン東北㈱(秋田市)▽東日本旅客鉄道㈱盛岡支社(盛岡市)▽㈱コカゲスタジオ(奥州市)──に登録書が贈られた。このうち、同支社は盛岡駅2階の柱に、大規模林野火災の被災木といった県産木材を使った装飾を施す計画で、8年度内の完成を見込んでいる。






