医師養成奨学金制度の支援拡充へ 当局 関連の条例改正案提出 市議会定例会が開会
令和7年11月29日付 1面
陸前高田市議会定例会は、28日に開会した。日程を12月12日(金)までの15日間と決め、市当局は議案15件を提出し、初日は1件を可決。残る14件は予算等特別委に審査を付託した。条例関連では医師養成に関する既存の奨学資金貸付制度の支援拡充、市消防団の活動を補う「機能別消防団員」制度導入に向けた改正案などを上程している(高橋 信)
この日可決したのは「岩手沿岸南部広域環境組合規約の一部変更の協議」。岩手沿岸南部クリーンセンターの基幹的設備改良に伴い、組合構成市町の負担金の割合に関する規約の変更について協議する。
予算等特別委に審査を付託したのは、執行前提案3件、条例案7件、補正予算案4件の計14件。
条例案のうち、医師養成奨学資金貸付条例の一部改正は、奨学金返還にかかる利息や延滞利息の廃止などに伴うもの。
市によると、医学生らに奨学金を貸し付ける旧制度は昭和30年に創設。平成元年に現行制度に切り替わった。
平成15年度以降の申請者は3人。本県では県や県医療局、県国民健康保険団体連合会による奨学金制度があることなどから差別化を図ろうと、支援を拡充する方針を固めた。
貸付額は月最大20万円。現行制度では受給者の居住地を問わないが、改正後は本人、または両親が市内に居住している人に対象を絞る。返還時の利息を貸付額の年7・1%、延滞利息を返還額の年10・95%と定めているが、それぞれ撤廃する。
条例改正案が可決されれば、来年1月1日に施行される。市はその後、制度の周知、奨学生の募集を見据える。
「市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例」の改正案は、機能別消防団員制度の導入を目的とするもの。
市消防本部によると、今月1日時点で消防団員数は493人で、定数639人に対する充足率は77・2%。担い手不足が課題となっており、特定の活動や役割に限定して団活動に参加する機能別消防団員を新たに加え、地域防災力の充実強化を図る。来年4月の導入を目指す。
一般会計補正予算案は、歳入歳出に8億7616万円を追加し、補正後の総額を185億9386万円とする。
主な歳出は▽市道改良舗装事業2億2000万円▽陸前高田がんばっぺし応援基金積立金2億円▽火葬炉等改修工事1633万円▽介護サービス事業所物価高騰対策支援金515万円──など。
陸前高田がんばっぺし応援基金には、市ふるさと納税寄付金を積み立てている。10月の制度改正を前に駆け込みの寄付が集中し、当初の計画より寄付累計額が伸びる見通しとなったため、今回、基金積立金を計上した。
このほか、補正予算案には氷上山トイレ改修工事費として400万円を盛り込む。祈祷ヶ原周辺にある築40年以上のトイレの床や壁を改修し、便器を入れ替える。
請願「市景観条例の見直しについて」は、産業建設常任委に審査を付託した。






