伊藤さん(猪川)に功労者表彰 日本食品衛生協会 長年の経営と指導たたえ
令和7年12月4日付 6面
公益社団法人日本食品衛生協会(小林健会長)による本年度の食品衛生功労者表彰に、気仙では唯一、大船渡市猪川町で飲食店「味処暫」を営む伊藤岩郎さん(74)が選ばれた。長年にわたる飲食店経営や食品衛生指導員としての活動がたたえられたもので、伊藤さんは「今後も活動を続けたい」と誓っている。
同表彰は、食品衛生の向上に関する功績が特に顕著で、他の模範となる人物をたたえるもの。県内では飲食店営業、菓子製造業の2分野から、伊藤さんら5人が輝いた。
伊藤さんは盛町出身。旧県立大船渡工業高校を卒業後、宮城県仙台市内の日本料理店で修業を重ねて帰郷。昭和63年12月、猪川町内に「暫」を開業した。
平成17年には食品衛生指導員の委嘱を受け、県食品衛生協会大船渡支会盛班で月に1回の巡回活動を展開。同班内の飲食店で冷蔵庫の温度管理や手洗いなど、食中毒予防にかかる項目のチェック、指導を担い、24年には班長に就任した。令和2年からは、県食品安全サポーターも務めている。
「はじめはみんな巡回活動を嫌がったが、食中毒を出さないように注意をしなければならない。厳しい目で取り組んできたが、徐々に理解を得られるようになった」と、これまでを振り返る。
表彰式は10月16日に東京都内で開かれたが、伊藤さんは都合がつかなかったため出席はかなわず、後日同協会を通じて賞状とバッジを受け取った。「この表彰は、盛班の皆さんでもらったようなもの」と話し、周囲の協力に感謝する。
受賞に対し、「今まで以上に一生懸命やらなければと、責任を感じる」と語り、「まだまだ取り組みをやめるわけにはいかない。今後も活動を続けていく」と力を込めた。






