大船渡は143匹と低迷 11月中旬時点の秋サケ漁獲 河川捕獲、採卵も進まず

▲ 大船渡は過去最低の漁獲状況となっている秋サケ

 県農林水産部水産振興課は、11月20日時点の秋サケ漁獲速報を発表した。県全体の沿岸・河川累計捕獲数は9598匹(前年同期57%)で、過去最低だった昨年をさらに下回る状況が続く。大船渡市魚市場への水揚げ数は143匹と、前年同期の約27%で低迷が著しく、河川捕獲による採卵も思うように進んでいない。
 県沿岸における今季の累計漁獲数は4492匹(重量10・62㌧)で、前年同期の7226匹(同18・01㌧)の6割にとどまる。
 大船渡は、前年同期が531匹に対し、今季は143匹。県内の魚市場別漁獲数で比較すると、唯一の20%台で最低割合に沈んでいる。重量は前年同期の約24%、金額も約35%と厳しい状況となっている。
 河川捕獲は5025匹(重量11・61㌧)で、前年同期の9367匹(同23・59㌧)に対して約54%と低迷。金額も約半減で、全県的な不漁が継続している。
 気仙における河川捕獲数の累計は、吉浜川が16匹(メス5匹、オス11匹)、綾里川が27匹(メス16匹、オス11匹)、気仙川が410匹(メス166匹、オス244匹)。盛川は、川の増水で捕獲施設が被害を受けたため、河川捕獲ができない状況に陥っている。
 採卵数は吉浜川が5000粒、気仙川が41万2000粒で、いずれも前年同期から大幅な減少となっている。
 県水産技術センターが発表した本年度の秋サケ回帰予報(9月~令和8年2月)によると、本年度の回帰数量は、過去最低に終わった令和6年度をさらに下回る低水準になる予測。数量は3万3000匹、93㌧で、過去最低に終わった6年度実績の4万3000匹、117㌧を2割程度下回る見込み。東日本大震災前の平均値(平成20~22年度)の768万匹、2万5053㌧と比較しても、1%にも満たない低水準とみている。