〝気仙の酒〟を韓国へ 現地バイヤー2人が訪問 県 酔仙酒造㈱で招へい事業(別写真あり)
令和7年12月11日付 2面
県による「韓国バイヤー招へい事業」の企業訪問は9日、大船渡市猪川町の酔仙酒造㈱大船渡蔵で行われた。岩手県産日本酒を取り扱う韓国のバイヤー2人が訪問し、蔵の見学や試飲を通じて同社の商品に理解を深めた。〝気仙の酒〟を韓国など海外に売り出すためのラベリング、PR方法等の助言も行った。
県は韓国における観光客誘致の拠点として、平成14年に北海道や青森県、秋田県とともに北東北三県・北海道ソウル事務所を開設。今回のバイヤー招へい事業は、岩手県産日本酒の販路拡大や輸出額・知名度向上を推進しようと、県と共催した。
韓国からは、韓国地酒輸入業協会副会長のエリックさんと、JWマリオットホテルチーム長のキム・ヒョンジュンさんが来日。同事務所や県商工労働観光部の職員らとともに、9日から11日にかけて県内五つの酒蔵と県庁を巡る日程を組んだ。
酔仙酒造への訪問は久々となり、金野連代表取締役社長や杜氏の金野泰明取締役らが対応。工場見学が行われ、一行は気仙産の米や水、地元で発見されたこうじ菌を使った酒造りの様子を確認した。
続いて、同社の純米大吟醸「鳳翔」や特別純米酒の「多賀多」「たてがみ」など10種類を試飲。バイヤーの2人は味や飲み口の感想などを伝え、韓国市場で売り出す場合に効果的なラベル、パッケージのアイデアもアドバイスした。
エリックさんは、「グローバル時代に合わせながら、熱意を持って酒造りをしており、可能性が感じられる」と評価し、「酔仙の皆さんとともにマーケティングに取り組み、韓国の顧客に商品のよさを広げ、扱う量を増やしたい」と展望を語った。
キムさんは「最近のトレンドを踏まえた酒造りに挑戦しているのが印象深かった。地元産の米などを使い、オリジナルで酒を造っている。韓国では、日本酒は味よりも銘柄が重視されているので、ソムリエである私が今後いかにアピールしていくかが重要だと思う」と話していた。
金野代表取締役社長は「日本酒そのものを評価してもらえてありがたく、ラベリングなどについても勉強ができた。非常に有意義な時間だった」と、充実した表情を見せていた。





