「同じ場所に再建」17件 大規模林野火災被災者意向調査 対象60世帯の28%どまり 土砂災害警戒区域など影響か
令和7年12月12日付 1面
大船渡市は11日、大規模林野火災で住宅が全焼し、仮設住宅などに暮らす被災世帯向けに実施した「今後の住まいに関する意向調査」の結果を公表した。赤崎町や三陸町綾里に自宅があった60世帯に調査票を郵送し、9~10月にかけて回答を求めた。住宅再建意向は回答対象者の39件(65%)を占めたものの「同じ場所に再建する」は17件(28・3%)にとどまった。家族ごとの事情に加え、被災した場所が土砂災害特別警戒区域に入っているといった影響もうかがえる。(佐藤 壮)
住まいに関する意向調査は3月以来2回目で、9月26日~10月31日に実施。対象は▽建設型応急仮設住宅居住者26世帯▽みなし仮設住宅(民間賃貸住宅)居住者11世帯▽公営住宅(市営、県営)居住者19世帯▽その他(親族宅等)居住者4世帯──で全60世帯。各世帯に調査票を配布し、原則として世帯主による回答を求め、54世帯(90%)から回答を得た。
再建方法=別掲図参照=に関しては「自宅を再建する」が39件(65%)で最多だった。これに「その他(修繕)」2件を加えた計41件を対象に、再建場所についても尋ねた=同。
この中では「同じ場所」が17件(41・5%)と最も多かった一方、「被災前とは違う場所での再建」16件(39%)と「違う場所での購入」7件(17・1%)の合計が23件(56・1%)と過半数に達した。全回答対象者に占める同じ場所での再建希望は、3割を切った。
「違う場所」とした23件のうち約半数が、被災した場所が土砂災害特別警戒区域に該当。同区域は、建物の構造の安全が確認された場合を除き、住宅を建築することができない。
7~8月にかけて市などが開催した住宅再建支援制度説明会でも、出席者から「土砂災害を考えた時、これまでの場所でいいか不安」「周囲の家族が他地域で再建する予定と聞いて悩む」などの声が聞かれた。
「違う場所」を選んだ23件中、移転場所は22件が市内で、1件が市外だった。市住宅管理課では「綾里地区で被災して『綾里で再建を』と希望する方もいれば、盛町や大船渡町を考える方もいる」と説明する。
渕上清市長は「元々あった世帯数でのコミュニティー再生はかなわない現状にあると思っている。数に見合った形での地域コミュニティーのあり方も検討しなければならない」と話す。
再建資金は再建・修繕希望の41件中21件(51・2%)が「金融機関から借り入れ有り」と回答。17件(41・5%)が「借り入れ無し」だった。
調査では、再建方法で「自宅を再建する」「その他(修繕)」「公営住宅(入居継続希望2件は除く)」「民間アパート」と答えた計46件のうち、移転時期が「決定している」は7件(15・2%)で、「未決定」は30件(65・2%)だった。
再建方法を決めていない世帯では「収入が少なく、移転後の生活の見通しがつかない」「住宅再建に関する支援制度が分からない」「心身に障害があり、移転後の見通しがつかない」などを理由として挙げた。
仮設住宅の供与期間は2年となっており、市は今後、未回答世帯や再建方法を未定とする世帯が早期に再建できるよう支援する考え。被災者支援補助金などの周知に加え、各種相談や補助金申請にも対応する。綾里地区にある市営住宅の空き室、退去する予定の部屋の管理も進め、入居募集時期などの検討にも入る。
市と県、住宅金融支援機構東北支店による住宅再建支援個別相談会は、19日(金)午後7時~9時に市役所で、20日(土)午前9時~正午に綾里地区応急仮設住宅談話室で開催。来年2月には、27日(金)午後7時~9時に市役所で、28日(土)午前9時~正午に綾姫ホールの多目的ホールで予定している。
状況をみて、新年度の開催も検討する。問い合わせは、市住宅管理課(℡27・3111内線321)へ。





