令和最多の8436㌧ 市魚市場のサンマ水揚げ 数量本州一の座は譲る見通し

▲ 令和で最多の水揚げ数量となった大船渡の今季サンマ漁=市魚市場

 大船渡市魚市場を水揚げ拠点とする今季のサンマ漁は、今月5日の水揚げを最後に終漁を迎えた。大船渡魚市場㈱(千葉隆美社長)の市況などによると、水揚げ数量は8436㌧(前年同期比2786㌧増)で、令和になってからは最多となった一方、11月末時点で本州2位の宮城・気仙沼に追い上げられ、今月分を含めた実績では、本州一の座は譲ったものとみられる。大規模林野火災の発生や全国的な漁獲増加による休漁措置など、例年とは異なる環境下で行われた今季のサンマ漁。出漁したサンマ船乗組員へのねぎらいとともに、来年度以降のさらなる資源回復に期待が高まる。(菅野弘大)

 

 今季のサンマ漁は、公海漁場での漁期序盤から大ぶりで良型の魚体が多く見られた。長年、不漁が叫ばれていた中、北海道をはじめ、全国的に好調なペースでの水揚げが続き、例年より手頃な価格で店頭に並ぶなど、かつての〝庶民の魚〟らしさを感じさせた。
 大船渡においては、同市の鎌田水産㈱(鎌田仁社長)の三笠丸船団6隻が中心となり、8月29日に初水揚げ。その後も地元内外の大型船などがまとまった量を継続的に運び、9月末で2000㌧を突破した。10月に2000㌧、11月にさらに3300㌧を上積みした。
 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)が発表した、11月末時点の令和6年・7年の対比サンマ水揚げ状況によると、全国トップの北海道・花咲に続き、大船渡は2位の7826㌧。本州一をキープしたものの、次点の気仙沼が37㌧差の7789㌧と迫った。
 10月末時点の発表では、大船渡が4450㌧、気仙沼が3706㌧で、その差は744㌧だったが、11月の1カ月間で、気仙沼は大船渡を上回る約4000㌧を上乗せした。三陸海域の金華山沖などでの漁場形成や、漁場と水揚げ漁港の距離、大型冷蔵庫を所有する業者の強みも生かし、入船、水揚げが急増した。
 大船渡市魚市場への水揚げは今月初旬まで続き、数量は1日が236㌧、2日が178㌧、4日が186㌧。8日に3隻が計9㌧を水揚げし、累計8436㌧で終漁となった。
 これに対し、気仙沼市魚市場では1日に222㌧、2日に290㌧、4日に198㌧を積み、8、9日にも計57㌧を重ね、累計数量を8556㌧まで伸ばした。9日時点で大船渡を100㌧以上上回っており、11年連続を目指した大船渡の水揚げ本州一の記録は途切れたとみられる。
 大船渡における東日本大震災前からの数量は、3万~1万㌧単位での水揚げが続いていたが、令和元年から1万㌧台を割り込む状況が続く。元年と2年はいずれも6000㌧台前半、3年は平成以降で最低となる2471㌧にとどまった。
 4年は3054㌧、5年は3877㌧と少しずつ持ち直し、6年は4年ぶりに5000㌧台を突破。7年は8000㌧を超え、好転の兆しが見えてきた。