菅野さん(大船渡小5年)が最優秀賞 県の愛鳥週間ポスターコンクール 中学生2人も入選、佳作

▲ 絶滅危惧種のオジロワシが描かれた作品
菅野彩月さん

 県による令和7年度愛鳥週間ポスターコンクールの審査結果がこのほど発表され、大船渡市立大船渡小学校の菅野彩月さん(5年)の作品が、小学校の部で最優秀賞に輝いた。「絶滅危惧種だけど力強く生きている。みんなで守ろう」という思いを込め、オホーツク海を背景に羽ばたくオジロワシを描いたもので、菅野さんは「これからも自然保護の大切さを伝えたい」と話す。同コンクールではこのほか、中学校の部で気仙両市の生徒2人の作品が入選と佳作に選ばれた。
 絵を描くことも鳥のことも好きな菅野さん。二つの〝好き〟が重なる鳥の絵も幼い頃から描いており、今回、初めて同コンクールに応募した。
 作品は、流氷が漂う冬のオホーツク海を背景に、獲物の魚を捕らえて羽ばたく絶滅危惧種のオジロワシを描いたもの。種の存続が危ぶまれるはかない存在である半面、猛禽類という力強い生き物である点に着目した。
 翼の角度や羽根の先端部分の描き方、生命力あふれる目の表現に工夫を凝らしたほか、自然な感じになるよう、空をグラデーションで彩った。左側から差し込む光の描写、少しずつ異なる羽根の向きなどを、難しかったポイントとして挙げる。
 野鳥の図鑑を読み込んだり、県内外の野鳥観察会に参加したりと、鳥への興味関心を深めている菅野さん。今回の最優秀賞受賞に加え、今月7日には三陸町越喜来の道路脇で本州の平野部ではめったに見られない野鳥・ホシガラスを発見しており、〝野鳥愛〟が実を結んだような出来事が続く。
 6年生もいる中、初応募で最優秀賞に輝いたことを「喜びよりも驚きの方が大きい」と受け止め、「ホシガラスを見つけて、もっとたくさん野鳥を見つけたり、調べたりしたいと思った。これからも同じようなコンクールに参加して、周りの皆さんに自然保護の大切さを伝えたい」とはにかむ。
 また、中学校の部で大船渡市立第一中学校の中野紗希さん(2年)の作品が入選、陸前高田市立高田東中学校の米沢多恵さん(3年)の作品が佳作にそれぞれ選ばれた。
 同コンクールは、作品の制作過程を通じて野生鳥類についての保護思想を高め、自然環境の保全などに関する意識啓発を図ろうと、県内小中学校の児童・生徒を対象に毎年開催。今年は小学校の部に11校から26点、中学校の部に29校から74点の計100点の作品が寄せられた。
 全ての応募作品(写真)は、1月5日(月)~2月28日(土)の期間中、盛岡市のキオクシアアイーナ(いわて県民情報交流センター)5階に展示される。時間は午前9時から午後6時まで。