故郷への思い歌に乗せ 住田町出身の歌手・早瀬ひとみさん デビュー45周年記念コンサート
令和7年12月21日付 7面
住田町世田米出身の歌手・早瀬ひとみさん(64)のデビュー45周年記念コンサート(実行委主催)は20日、大船渡市盛町のリアスホールで開かれた。知人、友人も含めて約400人が来場し、〝おらほの歌姫〟のステージを堪能。早瀬さんは古里への思いを口にしながら、これまで支え続けてきた地元民への感謝の気持ちを歌に乗せて届けた。(清水辰彦)
早瀬さんは、文化放送「全日本歌謡選抜」「第3回スターは君だ!」でグランドチャンピオンを獲得し、昭和55年に『北の岬』でデビュー。58年には『ちょっと待って大阪』がヒットし、第17回日本有線放送大賞・上半期奨励賞を受賞した。シャンソンやカンツォーネ、ラテン、タンゴなど幅広いジャンルで活躍しており、歌謡曲とシャンソンを融合させた〝和シャン〟のステージングでも注目を集める。デビュー45周年を迎えた今年は、10月に町役場を会場に行われた「すみた産業まつり」にも出演した。
今回の記念コンサートは、住田町を中心に気仙の有志で構成する実行委(松田金光委員長)が企画。地元住田の約250人を含め、町内外から合わせて約400人が会場に足を運んだ。
スポットライトを浴びながら、あでやかな白いドレスでステージに登場した早瀬さんは、今年1月にリリースした『愚恋歌』を披露。
早瀬さんは「私の45年と皆さんの45年を思い出しながら、最後までゆったりとお付き合いください」と聴衆に語りかけ、曲の合間では「中学の頃から歌手を目指してオーディションを受け続け、高校3年生の時にようやく合格できた」と自身のエピソードも振り返り、そのオーディションで歌ったという曲も〝公開〟。
「やっぱり、地元で歌うのが一番緊張する。小さい時から知っている人がたくさんいて、おしょしい(恥ずかしい)」と、方言も交えながら笑いを誘った。
その後は、『ちょっと待って大阪』や『雨よ降れあの人に』『京都一人』など、オリジナル曲を次々に歌い上げた。
ゲストコーナーでは、演歌歌手の三浦わたるさんが登場して会場を盛り上げた。再び登場した早瀬さんは、さらに10曲ほどを披露し、アンコールにも応えた。
早瀬さんの知人、友人らも多く訪れた会場では、大きな声援と拍手が響き、郷土のスターの〝凱旋公演〟は大きな盛り上がりをみせた。
早瀬さんの高校時代の1学年先輩でもある松田実行委員長(65)は「無事に開催できてよかった。(早瀬さんは)45年間頑張ってきた。これからも地元でも支えていきたい」と話していた。






