2025気仙この一年/記者の取材ノートより②選挙 神田住田町長が無投票3選 参院選は横澤氏(立民)圧勝
令和7年12月24日付 1面
波紋一つ立たず〝決着〟/住田町長選
昭和30年の町制施行から数えて19回目となった住田町長選は7月15日に告示された。立候補を届け出たのは現職の神田謙一氏(66)=下有住=のみ。令和3年の前回選に続く無投票となり、神田氏の3選が決まった。
神田氏は日本獣医畜産大学大学院修士課程修了。昭和59年に住田町農協に入り、合併した陸前高田市農協を経て、平成19年住田フーズ㈱取締役生産部長、24年同社常務取締役に就任。29年の町長選に初出馬し、町議を辞して臨んだ新人との一騎打ちを僅差で制した。
就任後、1期目から「住民生活の基本である『医・食・住』の充実」を一貫して掲げながら町政運営に取り組み、各分野で独自カラーを打ち出している神田氏。3期目を目指した選挙では、▽保健・医療・福祉・介護連携体制推進による安心の町づくり▽地域内付加価値創造の取り組みの推進▽自治公民館を中心とした活動を支援し、共助による共生の町づくりの推進──などを公約に掲げ、本年度スタートした新たな町総合計画の着実な推進も訴えた。
早くから無投票ムードが漂う中、対抗馬擁立の動きは水面下でも見えず、最後まで波紋一つ立たないままに告示日を迎え、現職・神田氏が3選を果たした。
同町では、町議選も3回連続の無投票となっており、町政の根幹をなすともいえる選挙への関心の低下が懸念される。
野党共闘態勢で再選果た/参院選岩手選挙区
7月20日に行われた第27回参議院議員選挙は、選挙区(改選74と非改選の東京選挙区欠員1)に350人、比例代表(改選50)に16の党や政治団体から172人が立候補した。
改選数1の岩手選挙区には4人が出馬。立憲民主党の現職・横澤高徳氏(53)が、自民党の元職・平野達男氏(71)、参政党の新人・及川泰輔氏(46)、政治団体「NHK党」公認の新人・吉田博信氏(59)を破り、再選を果たした。
横澤氏は1月に出馬を表明し、立憲民主公認候補として再選を目指した。共産党県委員会、社民党県連合から支持を受けたほか、国民民主は支持母体が実質的な支援にまわり、県連は選挙区への候補者擁立を見合わせたことで、6年前に続く事実上の〝野党共闘〟態勢を構築。再度、平野氏との実質的な与野党一騎打ちに臨んだ。
投開票の結果、横澤氏が27万8888票、平野氏が17万8958票と、横澤氏が平野氏に約10万票の大差をつけて圧勝。県内33市町村のうち、26市町村で平野氏を上回った。気仙をみると、大船渡市1792票差、陸前高田市1056票差、住田町275票差となり、いずれも横澤氏に軍配が上がった。
及川氏は10万6806票、吉田氏は1万1676票を獲得した。
岩手選挙区の投票率は59・10%(前回選比3・72ポイント増)。気仙は大船渡市が63・31%(同3・45ポイント増)、陸前高田市が65・97%(同4・30ポイント増)、住田町が63・30%(同0・54ポイント増)だった。






