2025気仙この一年/記者の取材ノートより⑥気象 夏に記録的高温、少雨 12月に初の地震注意情報

▲ 記録的な高温と少雨で生育不良などに苦しんだ野菜農家(8月)

気温は年間通じ平年より高めに

 

 気仙地方は今年、平年より暖かい日が多く、夏は記録的な高温と少雨に見舞われた。
 盛岡地方気象台によると、大船渡の1~11月の月別平均気温は、2月と10月を除いてすべて平年より高め、またはかなり高めだった。2、10月は平年並みで、平年より低め、またはかなり低めとなった月はなかった。
 1、2月は大船渡の月最深積雪がともに1㌢で、どちらもその月の歴代4位の少雪となった。2月の月降水量は2・5㍉で、同月の極値を更新する少なさとなった。4月は月日照時間が111・0時間と平年の64%にとどまり、同月歴代1位の寡照となった。
 大船渡市が独自に指定するサクラ標本木の開花宣言は4月5日にあり、前年より3日遅め、平年より2日早めだった。
 気仙を含む東北北部は、6月23日ごろに梅雨入り(平年比8日遅め、前年と同じ)し、7月18日ごろに梅雨明け(平年比10日、前年比15日早め)したとみられる。
 夏は記録的な酷暑に見舞われた昨年と同様に高温の日が続いた。6、7月の月平均気温は大船渡でそれぞれ月の観測史上最高を観測し、8月は歴代2位、9月は同4位の暑さとなった。
 また、月降水量が歴代1位の少なさとなった8月をピークに少雨にも見舞われた。この影響で夏野菜の生育不良、害虫被害などが各地でみられた。

 

青森県沖地震で1週間の警戒期間

 

 青森県東方沖地震を受け、内閣府と気象庁は今月9日未明、大規模地震発生の可能性が平時よりも高まっているとして、気仙3市町を含む太平洋沿岸など7道県の182市町村を対象に「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表した。令和4年12月の運用開始以降初めて。16日までの1週間、関係機関はすぐに避難できる態勢の維持など注意を呼びかけた。
 地震は8日の深夜に発生。気仙3市町は震度3の揺れがあり、大船渡で20㌢の津波を観測した。
 同注意情報は、日本海溝・千島海溝沿いでマグニチュード(M)7以上の地震が発生した場合、続いて起きる可能性がある大規模地震への注意を促すもの。北海道から千葉県にかけての太平洋側で、震度6弱以上、津波高3㍍以上が想定される地域が対象。事前避難は呼びかけず、備えの再確認や「すぐに避難できる準備」の徹底を求める。
 注意情報の呼びかけ期間中、気仙3市町では、防災行政無線やホームページなどを通じて注意喚起。陸前高田市は、市コミュニティホールに「自主避難所」を開設した。

 

黒潮大蛇行の終息発表

 

 気象庁は8月、日本列島の南岸に沿って流れる黒潮が大きく南に蛇行する「黒潮大蛇行」の終息を発表した。平成29年に発生し、7年9カ月続いていたとみられ、過去に6回発生した大蛇行の中では最長期間を記録した。