補助金予算を追加確保 大規模林野火災 建物近辺の被災危険木除去 申請開始から半年 想定上回る16件に
令和8年1月10日付 1面
大船渡市大規模林野火災の被災木が建物などに倒れる2次被害を防ぐ目的で市が昨年7月に創設した「被災危険木除去事業費補助金」の申請件数が、今月9日までに16件に達した。伐倒や除去の経費のうち、9割、最大90万円を補助するもので、想定を上回る申請を受け、補正予算措置で財源を追加的に確保。枯死に至った木は日増しに危険性が高まる中、市では引き続き積極的な活用、検討を呼びかける。(佐藤 壮)
大規模林野火災では、地元消防関係者や県内外から駆けつけた消防隊が、厳しい気象条件下で建物被害を最小限に食い止める消火活動を展開。住宅地近くの山林は黒く焦げた状態でも、家屋への延焼を免れた地域が各地に見られる。
延焼で枯死に至った被災木は、根部分の〝踏ん張り〟がきかず倒れてしまい、近隣の建物に被害を及ぼすケースなどが考えられる。幹全体が被災した高焼損域の樹木は短期間で枯死するほか、葉が残っているように見える中焼損域の樹木も構造体としては少しずつ弱くなり、今後危険木になる可能性があるという。
市は被災した森林について、国の激甚災害指定を踏まえ、伐採から再造林までを手がける大規模な再生事業を進める計画だが、着手までには時間を要する。建物に対する被害危険木への既存助成はなく、早急な対応が求められることから、独自制度を創設した。
対象は、2月26日に出火した大規模林野火災の被災危険木を所有している個人団体。立木の状態で、倒木により自宅や作業場、集会施設、神社などに被害を与える恐れがある樹木の処理に適用する。
補助は伐倒や除去・処理の各経費に対する10分の9で、上限は90万円。問い合わせ、相談をもとに市が下見などを行い、林業事業体による作業経費の見積書なども添えて申請する。
市は当初、10件程度の申請を想定し、昨年の市議会6月定例会で900万円を事業費として確保。7月4日から申請を受け付け、先月末までに、補助金交付決定額は16件で約880万円に達した。
月別にみると、7月が3件、8月が6件、9月が4件、10月が2件、11月が1件となっている。ほとんどが綾里地区からの申請で、同地区内での地域の偏りは見られないという。
申請16件のうち、13件がすでに完了。15件が助成額が上限の90万円に達しておらず、対象経費の1割負担で済んだことになる。これまでは、10本以上の処分を依頼するケースが多い。
予算が上限枠に近づいたことから、市議会12月定例会で可決された一般会計補正予算で、さらに900万円を確保。申請状況によっては、さらなる財源確保も検討するという。
市農林課の佐藤雅基課長は「時間の経過とともに、木の状態が悪くなり、申請を考える方も出てくると思われる。森林再生だけでなく、倒木を心配する方のフォローも引き続き進めていきたい」と話す。問い合わせは同課(℡27・3111)へ。
被災した危険木の除去は、市道沿いでも進められている。対象の市道は、赤崎町が蛸ノ浦合足線、三陸町綾里が白浜小石浜線、小石浜砂子浜線、展勝地砂子浜線、殿畑線、綾里岬線で、延長は36・7㌔。3月の完了を目指している。






